対象:住宅設計・構造
断熱材の厚みより家全体の温熱性能を考えましょう
断熱材の厚みは断熱性能の良し悪しを決定する重要な要素ですが、ただ厚くしただけでは断熱性能が良くなるものでもありません。なぜならば壁や屋根から逃げ出す熱量よりも、窓から逃げ出す熱量の方が大きい家もざらにある為です。
家の断熱性能を高める指標として温熱等級と云うものがあります。温熱等級は1から4まであり数値が上がるほど温熱性能の良い家と云う事になります。温熱等級は設計者(工務店)が勝手に行うものではなく、住宅性能表示制度や長期優良住宅制度を用いて第三者機関に客観的な評価を受ける事により取得できる等級です。申請等に費用も掛かりますが、より確実に温熱性能の良い家を造ろうと考えるならば、是非利用したい制度です。
また、温熱性能は施工の良し悪しに大きく左右されます。幾ら断熱材を厚くしても施工が不適切であれば、寒い夜に窓を全開してるのと大差ない結果になる事もあります。住宅性能表示制度を活用すれば、工事途中での断熱材検査もありますので、より確実に性能の確保が図れます。
シックハウス対策に建築確認申請時にメーカー名を記載しても差し付けありませんが、記載した以上はその製品を使用しなければならず、施主都合の仕様変更があったとしても別途変更申請が必要になり施主に余分な費用負担が発生する事になります。それを避けるためメーカー名商品名は記載しないのが通常で、検査時にどの様な製品を使用したのか検査員が確認するのが一般的です。
回答専門家
- 福味 健治
- ( 大阪府 / 建築家 )
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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この回答の相談
京都市の準防火区域に新築一戸建てを検討中です。
業者からもらった仕様書に以下書かれているのですが、断熱性において標準仕様なのでしょうか。
外壁に面する壁、屋根に面する天井、ともにロック… [続きを読む]
tihiro38さん (京都府/39歳/女性)
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