対象:ペットの医療・健康
Re:ネコの血
鼻炎症状に対する検査としては、一般的な血液検査、顔面の変形がないかを確認するための身体検査、視診、頭部並びに胸部のレントゲン検査、鼻汁中に異常な細胞がないか確認するための鼻汁細胞診、細菌や真菌による感染性疾患の有無を判定するための鼻汁の培養検査などが行われます。それに加えて、特に猫であれば、ウイルス性疾患による鼻炎症状もよく見られるため、血液や鼻汁を用いたウイルスの検査も行われます。
また、猫や犬では歯根尖膿瘍などの歯牙疾患からの炎症の波及により鼻炎症状を呈することがあるため、口腔内の検査も鑑別の為に行われます。
出血に関しては、鼻腔内腫瘍はもちろん、感染性の鼻炎や歯牙疾患からの鼻炎などが慢性化、重症化した場合、その全てにおいてみられる可能性があります。
上記のような検査やCT検査の結果、残念ながら鼻腔内腫瘍と診断された場合の最も有効な治療としては、やはり放射線療法が挙げられます。
腫瘍に対する治療としては抗がん剤を用いた化学療法、腫瘍の切除を行う外科療法、そして放射線による抗腫瘍効果を期待する放射線療法が代表的な治療法ですが、残念ながら化学療法、外科療法は過去の報告からも治療成績はあまり芳しくありません。
それに対して放射線療法は、実施できる施設が限られていること、治療の為に複数回の麻酔が必要な事などの問題がありますが、現時点では鼻腔内腫瘍に対して最も有効な治療と考えられています。
諸処の理由により上記のような通常の治療が行えない場合は、緩和的な治療が選択されます。このような緩和治療は個々の症例の状態により選択されますが、一般的には鼻出血に対する止血剤、二次感染に対する抗生剤、腫瘍による炎症及び疼痛に対する消炎鎮痛剤、そして鼻腔内腫瘍による脳への圧迫等により発作などの神経症状が見られる場合は抗てんかん剤等の使用が行われます。
万が一、鼻腔内腫瘍であった場合、どのような治療を選択するにせよ、まずは早期の発見が何よりの治療アプローチになると考えられます。ご心配であれば、担当の先生とご相談のうえ積極的な検査をご検討下さい。
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