対象:ペットの医療・健康
Re:お腹グルグルで血便
お腹がなった日に食事を食べない、その後下痢をするという症状は当然ながら消化管の問題が起こっているサインです。
同様な症状を定期的に示す患者様は時々いらっしゃいます。
見た目にも赤い血が便に混ざっているのでしたら、一般的には大腸の粘膜が剥がれて出血したことを疑います。
少量の便を頻回に出すようになるようであれば、やはり問題は大腸にあるのかと思います。
ただ、腸がグルグルと音を鳴らすことは小腸が原因の場合も多く、小腸から大腸の広範囲にわたって活動が低下したり炎症が起こって、このような症状が出ているのかもしれません。
胃に関しては出血している場合は黒色の便、炎症や潰瘍などがある場合は多くの場合嘔吐を伴いますので、そのような症状がないのであれば、問題は腸にあるのではないかと思います。
こういった症状が起こる原因は様々ありますが、腸内細菌のバランスが崩れたり、病原性の細菌が増殖したりしている可能性が高いように思います。
その背景には腸の免疫的な働きが低下していたり、逆に異常に免疫細胞が働くことにより炎症が起こっていたり、腫瘍が存在していたりすることが考えられます。
血液検査やレントゲンは全身状態の把握には重要な検査ですが、腸の状況を知るには他に超音波検査や便の検査(細菌を顕微鏡で確認したり、寄生虫の検索、遺伝子検査など)がさらに有用です。
さらには内視鏡検査をすることで腸の内部の構造を肉眼的に確認したり、腸粘膜の一部を採取することで炎症の程度や腫瘍の判別ができることがあります。
ただし年齢が18歳ということで麻酔をかけるような検査は慎重に検討する必要があります。
食事療法は、一口に下痢に対するものといっても、食物繊維を多く含む食事・低アレルゲンの食事・消化性の良い食事など、どういう病態かにより様々な選択肢があります。
治療は、現在の症状がどういった原因により起こっているのかを上述の検査などにより検討し、腸内細菌に問題があるならば、乳酸菌製剤や抗生物質・食物繊維を多く含む食事、胃腸運動そのものに異常がある場合は消化管運動改善薬、腸に慢性の炎症が生じている場合は低アレルゲンの食事やステロイド剤、抗生物質などを用います。
内視鏡検査の実施が難しい場合は経験的なものや治療薬や食事の反応性を見ながら、治療法を模索していくのが一般的かと思います。
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