対象:住宅設計・構造
橋本 健
建築家
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最近では、南北に流す方が注目されてきていますよ。
mkt0629さん、こんにちは。
ご質問の件、敷地の形状や大きさにもよりますが、最近では南北方向に流す屋根が注目されてきています。これは平均気温が1度以上高くなったことと省エネに起因します。今から20年前は、南側に大開口をとり、太陽光がさんさんとふり注ぐリビングルームが人気でした。我々建築家も南側のデザインを重視し、大きな開口部をどのようにつくるか、といったことに注意をはらっていました。しかし今日、南側の開口部が大きくなればなるほど、ガラスの断熱性能や空調機の出力を上げねばならず、それがコストアップにつながる。果たしてそのようなすすめ方で良いか、というふうに変わってきています。
南北に流すという考え方ですと、南側に屋根の先端が延びるということになります。私共ではそれを大きく張り出させ、『夏の日射を屋根で遮り、冬の日射(角度が低くなることから)を取り込む』ということを検討しています。(添付断面図)さらに室内の空気の流れに注目し(エアサーキュレーションといいます)暖められた空気と冷えた空気を循環させ、快適な環境が得られるよう工夫しています。さらにルーバーを装着することで、周囲との視線を適度に遮りつつ室内に影をおとすことで、時とともに移ろう表情をつくりだせないか、と考えたりしています。(添付写真)
このように屋根の架け方を変えることのメリットはどこにあるかを検討し、心地よい環境へとつなげる試みが大切ではないでしょうか。「ご自宅を含む複数の建物が並んだ時どのように見えるか」という街並の視点も大切ですが、それをセオリーとせず、『時代を見据えた家づくりを考えられてはいかがでしょう?』
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この回答の相談
初歩的な質問です。ありかなしか…でお聞かせ下さい。
北側道路の敷地に南北に流れる切妻の屋根っておかしいでしょうか?
普通は東西に流れる屋根が一般的ですよね。
mkt0629さん (兵庫県/40歳/女性)
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