対象:住宅設計・構造
上村 美智夫
建築家
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隣の敷地の方がこちらより数メートル高い場合の対処について
はじめまして、PAO建築設計の上村です。
敷地は整形地ということですし、広さについても十分だと思われます。南側の約1m高くなっている緑地も2m近い木が数本とのことで、木もまばらな状態のようですので、住宅を建てる際は、南側を3m程空け、庭等にすれば、冬でも1階には日が入ると思われます。
その他の点でも、住宅を建てる上で大きな問題となりそうな事は文面からは無いと思います。
この敷地の特徴でもある、南側緑地を上手に生かしてほしいと思いました。
ケース1:1階南側にLDK案
北東の道路側よりは、緑地を望む南側の方が静かで、外部から覗かれる等の心配が少なく、緑豊かで落ち着ける空間とすることができそうです。
ただ、南側が約1m高くなっているという、その土手(斜面)の部分が、LDKから常に見えることになります。この土手の部分をあまり見せたくない場合は、土手が見えなくなる程度の高さの生け垣等を設け、その上部から緑地の木々を望めるようにすれば、隣地の緑地部分を借景として生かせて効果的でしょう。
だたし、今後、木々の本数が増え、そして高く成長すれば日影となる可能性も考えられます。また、緑地の中を人が多く利用するかどうかも、覗かれる等のプライバシーの面での注意が必要でしょう。
ケース2:2階南側にLDK+ウッドデッキのルーフバルコニー案
2階南側にLDKを設ける場合は、緑地方向からの人の視線はさほど注意する必要はなくなります。また、見下ろすような視線で緑地全体を広く望む事ができるでしょう。さらに、木々が増え、高く成長しても、1階ほどには日影となるリスクも少なくなり、木々の成長を見るのが楽しみになるかも知れません。
2階リビングと連続して、ウッドデッキのルーフバルコニーを設けることで、季節の良い時期には、気軽にアウトドア気分が楽しめます。木々も高さが5~6m程に成長すれば、心地よい木陰を作ってくれるかも知れません。
2階にLDK等を設けるメリットのひとつに、屋根の形状等を生かした、吹き抜けた高い天井とすることが可能となり、より一層解放感を感じることができます。
以下は似た様なケースで、参考例として紹介しておきます。
西側の隣地の方が3m程高い住宅の例で、このケースでも西側には今後住宅は建ちそうになく、覗かれる等の心配がありませんでした。
・フォーム 屋上をウッドデッキのルーフバルコニーとしました(プロファイル/PAO建築設計)
http://profile.ne.jp/pf/k-michio/g/l-6330/
・リフォーム 2階ウッドデッキのルーフバルコニー(プロファイル/PAO建築設計)
http://profile.ne.jp/pf/k-michio/g/l-6349/
・リフォーム 内部より見た2階ウッドデッキへの出入口ドア(プロファイル/PAO建築設計)
http://profile.ne.jp/pf/k-michio/g/l-6358/
・リフォーム ルーフバルコニーより見たウッドデッキへの出入口戸(プロファイル/PAO建築設計)
http://profile.ne.jp/pf/k-michio/g/l-6357/
・リフォーム/平塚の家(PAO建築設計ホームページ)
http://www2.gol.com/users/paoarchi/jilei-reform/hra-reform/hra_re1.html
画像の説明-1
断面スケッチ 2階のLDKとウッドデッキのルーフバルコニー連続させることで、気軽にアウトドア気分を満喫できます。
画像の説明-2
2階ウッドデッキのルーフバルコニーの様子
以上、少しでも参考になれば幸いです。
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この回答の相談
駅から徒歩15分の閑静な住宅地、建ぺい率50%、容積率100%
北東側4.5m市道、間口約12.4m、57坪の整形地
両隣は家、南側は緑地で約1mの高くなっており、2m近い木が数本立っています。緑… [続きを読む]
fhumyonさん (埼玉県/30歳/女性)
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