対象:新築工事・施工
森岡 篤
建築家
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ご自分で塗装は可能ですが・・・
まみのさん、こんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
無垢の床材、いいですね。
おっしゃるとおり、無垢材でも、無塗装品を現場で塗装する方が、工場塗装品より味わい深いです。
私が設計する場合も、できるだけ無垢材の現場塗装をオススメしています。
機能的に一長一短があるのですが、後述します。
ご質問の、無垢材をご自分で塗装することは、それ程難しくありません、十分可能です。
お勧め塗料は、自然塗料のりボス、オスモカラーです。
http://www.livos-jp.com/
http://www.osmo-edel.jp/lineup/osmocolor/
これらの塗料はオイルで、ウェス(布切れ)で塗り、放置し、拭き取るだけです。
拭き取り方は、材料・色により程度の差があるので、テストします。
刷毛で塗る塗料は熟練が必要ですが、オイルはちょっと練習すればムラなく塗ることができます。
問題は、無塗装のフローリングはとても汚れやすいので、「建築後に落ち着いてから」とすると、汚れだらけになってしまいます。
工事も、フローリングを張ってから色々の業種が入るので、施工会社と打合せして、フローリングを張ったら直ちに養生して(シートを貼り汚れを防ぐ)、工事をストップしてもらい、塗装し、完全に乾燥するのがベストです。
それ以前に、無垢フローリングは、味わい深いですが、欠点もあることを理解して下さい。
無垢材は、湿度の変化で変形します。
乾燥すると収縮し、湿気ると膨張します。
現在の住宅は、ほとんど練付け材(合板の表面に薄い木を貼ってある)かプリント材です。
湿度変化による変形が少ないので、これらしか使わない大工は、ヨコに叩きながらフローリングを敷き詰めます。
変形の大きい無垢材を、乾燥時に隙間なく敷き詰めると、湿度の高い季節に膨張し、押され、跳ね上がることがあります。
逆に、冬の暖房時は非常に乾燥するので、目地部にスキマが開いてしまうことがあります。
フローリング材をご自分で買う、材料支給の場合、問題が起きると責任問題になることがありますので、施工会社と必ず事前に良く打合せして下さい。
床暖房する場合は、さらに乾燥するので、床暖房仕様品を使うことをお勧めします。
工場塗装品のフローリングは、作り物のようですね。
無塗装品に現場塗装する方が間違いなくテクスチャが良いのですが、ちょっとしたキズには、工場塗装品の方が強く、キズがつきにくいです。
コーヒーや醤油などをこぼした時も、工場塗装品の方が染み込みにくいです。
ただ、工場塗装品は、キズがつくと、白く目立つのに対し、現場オイル塗装は、少し凹んでも目立ちにくいです。
何十年か経ち、全体にキズがつき、汚れた時、無垢材は全体を削り直すことができます。
このように、さまざまな特徴がありますので、事前に良く調べて下さい。
参考にしていただけたら幸いです。
パルティータ建築工房
森岡
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この回答の相談
現在新築の設計の最終段階にきている者です。
皆様よろしくお願いします。
私は無垢が大好きで、新築するなら絶対に無垢の床と以前から決めていました。
しかし前の方と同じ状況で工務店さんは… [続きを読む]
まみのさん (静岡県/48歳/女性)
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