対象:心の病気・カウンセリング
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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腰を据えて,自然なポジティブ探しをして見ましょう
こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医師法における診断・治療行為は致しません)。
syokoさん,海外でうつ症状を自覚し,何とか状況を変えようとしている,情緒不安定な自分を何とかしたいと感じている,そんなお気持ちお察しします。大量の薬を出されたら,ちょっと引いてしまいますよね。どうしていいかお困りになっているお気持ちが伝わってきました。
さて,うつ病の話ですが,うつ病には2つの側面があります。ひとつは,ストレスを感じる出来事や状況の中で自分が気分的に落ち込んでいくこと。実はこの部分は,うつ病でなくても誰もが感じていることなのです。そして,もうひとつには,出来事や状況そのものでなく,自分の中に,物事を否定的にとらえようとする傾向があること。これは,その人の育った環境や生育歴・経験などが作りだしているものなのです。
たとえば,天才ではなく努力で良い成績を取って育ってきた人が,仕事の場で頑張っても頑張っても成果が上げられないとき,努力してもだめな自分という判断が出てきてしまいます。そこから,うつ感覚が芽生えます。このとき,努力してもだめな自分という結果判断よりも,「自分は努力して生きてきた,努力しないといけない自分」という,身についた生き方そのものが,問題となることが多いのです。
雨が降ってきたとしましょう。syokoさんはどんな風に考えますか? 普段の生活の中から,「洋服や靴がぬれるから出かけたくない」とか「洗濯物がぬれる」といったことでネガティブな判断をしていませんか? 一見ネガティブな事の中に何かポジティブなことを見つけられるかが大切です。「乾燥してかさかさだった肌が雨でしっとりした」とか「庭木に良いお湿りだ」と考えられればOKです。
環境を変えたら自分が変わると言うよりも,積極的に自分が解釈を変えるということが大切な要素です。どこにいても,ストレスを感じるような出来事や状況は存在します。その時に,自分からネガティブをポジティブに変える解釈をチョイスすることが,ひとつのキーポイントなのです。何気ないことですが,効果は大きいのです。一度やってみて下さい。
【補足に移ります】
補足
環境に影響されて落ち着かなくなる状態は,風に吹かれてさまよう落ち葉のような状態です。東に吹かれ,西に流されていく状態。腰を据えて,ポジティブに見つめる解釈をして見ましょう。これは単なるプラス思考とは違います。自分の根本にある解釈をポジティブにすると言うことにつながるのです。
最初のうちは,解釈を変えることは簡単ではないですから,散歩やショッピング,入浴などで気分を変えることから始めましょう。それで気持ちがニュートラルになったら,解釈をポジティブにするようなチャレンジを始めていきます。試してみて下さい。
困ったときやわからない点は,いつでもご相談下さい。syokoさんが,うつから脱して明るくなることを祈っています。
聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com
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