対象:ペットの医療・健康
未避妊(去勢)猫の徘徊、奇声について
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はじめましてアレス動物医療センターの沖田と申します。
さて、まず大事なこととして、本当に去勢(男の子でしょうか?または避妊)していないことから起きている問題なのかどうか、というところです。
もちろん去勢、避妊していないから起きている、という可能性もありますが、たとえば甲状腺などのホルモンの病気で、同様の症状が出ることがあります。
また、何らかの疾患で急に視力がなくなって、そのような行動をとるようになることもあります。
以前、似たような症状の子で、実は尿道結石があり、いろいろな所に排尿して、痛みでときに奇声をあげるという猫さんを見たこともあります。
そういう意味では本当に避妊、去勢をすることによって収まる問題なのかも現時点ではわからないですし、もし手術をするとしても、麻酔をかけるためにはそれに耐えうる体力が必要ですので、事前に血液検査などの健康診断が必要だと思います。
避妊、去勢をしないにしても、実は何らかの病気を隠し持っていて、というのであればそれを放置することはできないと思います(痛くて泣いているのであれば、原因を取り除いてあげる必要があります)。
まずは、ホルモン検査を含めた血液検査(場合によってはレントゲンなどの検査)を先行で行い、本当に健康な状態なのかを把握し、それから手術をするかどうかを考えてもよいのではないでしょうか。
補足
蛇足ですが、獣医師にとって避妊(乳癌になったということは女の子ということでしょうか?)は、子供を作らないための手術ではなく、乳癌などの病気を予防するための手段と考えております。
たくさんの乳癌の子を助けたあげられず、見送ってきた立場としては、子供を作らないのであれば、避妊をしてあげてほしいと思う獣医師は多いと思います。
動物が好きでこの仕事に就く獣医師がほとんどであり、みな1歳の避妊も、11歳の避妊も同様にかわいそうと思いながらも、健康のためのメスをふるっております。
11歳ならかわいそう、15歳ならかわいそう、5歳ならかわいそうという話ではないように思われます。
ただ、この辺からは価値観ですので、手術をするのが正しいとか、間違っているという話ではないと思います。
病気予防のために避妊をしたいという飼い主様の気持ちも愛情ですし、健康な体にメスを入れたくないという気持ちももちろん愛情です。
ただ、小さいお子さんがおうちにいる以上、室内の衛生をきれいに整えておく必要はあると思います。
もしこの排尿トラブルにより、おうちのお子さんの健康なりに問題が出るようなことがあれば、お互いより大きなストレスを抱えながら生活していかなければいけないのではないでしょうか。
何らかの病気ではないというのが前提の話ですが、おうちの環境上マーキングは我慢すればよいと言っていられる状況でもないのかもしれません。
すべての問題行動が避妊、去勢出直るとは限りませんが、もしそれによって縄張り意識が薄れ、マーキングがなくなり、安全で密接な関係を赤ちゃんを含め取り戻せるのであれば、お互いのストレスをなくすという目的でも、手術の理由としては十分ではないかと思います。
評価・お礼
cokeey1 さん
2011/11/30 11:38
とても丁寧に回答して頂きありがとうございました。
オス猫で間違いなく、目もしっかりと見えています。
でも先生に言われた様に、甲状腺や尿道結石の疑いがあるのであれば、すぐに病院に連れて行ってきます。
去勢の件は、死ぬまでずーっと元気に過ごしてくれているのが1番なので。。病気にならないためにという風に考えて行こうと思いました。
どうもありがとうございました。
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
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