対象:新築工事・施工
伴場 吉之
建築家
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許容できる法まで、擁壁を積み+深基礎で、平面・断面設計で敷地レベルを調整
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>2メートル未満の間知+傾斜部分を若干平らにして芝生を植える、という提案
経済的で効率的な提案だと思います。
高さ1m強の傾斜部は、平らな部分は減りますが、そのまま、植栽や階段で高さを吸収しても構いません。
逆に、崖側の建物基礎を深くして、基礎の費用は、かかりますが、平らな部分を造り、敷地を有効利用するのも一案です。平面、断面計画を十分にすれば、面白い建物が出来ます。
究極なのは下の敷地のレベルまで、建物または基礎を深くすれは、擁壁は不要で建物は有効に建てられます。よく言われた、崖地マンションの論理です。基準法は地下ですが、採光があり、容積率も地下緩和が使え、効率的です。ただ、防水や構造など、技術的にはレベルが上がり、コンクリート造なので、小さな工務店やハウスメーカーでやる場合は、不得意な分野となり割高です。ただ、賃貸など、収益部分が出来、別予算が組めれば、住まいは逆に、強固で、快適です。
また、2m以下の擁壁は工作物申請がいりません。ただ、崖下の人にとっては、その擁壁が工作物申請なんどで、検査済を取っていれば、安全と認定され、崖際まで、コンクリート外壁なしで、建てられます。人のためだけにするのは、なかなか、ハードル高いですが、擁壁際まで、自分の敷地が、平らに使えると思えば一考です。
質問1:3メートルの擁壁を作り直すことがベスト、今後の生活に支障はないのでしょうか。一般的にはどうか。
埋め立て部分の沈下、水抜き、表面の土砂が流れないような配慮は必要です。そのへんを注意すれば、物理的に、高低差がある以外、支障はないです。
質問2:3メートルの擁壁、間知はRCと比較した場合、安全面でどう
擁壁なら、高さや土質による基準の断面構造、RCなら、構造計算に適合するば、安全面では、問題ないです。ただ、間知のほうが工事費は安いですが、角度があるので、土地の有効利用と言う点では、RCのほうが良いです。
出来れば、費用と時間がかかりますが、間知でもRCでも、2m以上の擁壁にし、工作物にしたほうが、役所の審査や完了時の検査があるので安心です。また、将来的にも、土地の価値は上がると思います。
補足
東京都の安全条例の第六条の二で
「擁壁の基礎の底部は、がけの下端を過ぎるこう配30度以内の良好な地盤に達しなければならない。」とあります。他の都府県でも同じだと思います。
例えば、横浜の場合、崖地が3mを超える場合、崖対象なので考慮が必要です。
横浜市建築基準条例の第3条(がけ)
http://www.city.yokohama.jp/me/reiki/honbun/ag20209061.html
を参照ください。
画像は以前、弊社で開発許可申請、設計、監理をした共同住宅です。
7m弱の高低差のある敷地を地盤設定を3つ設定し、開発許可を取りました。
費用はかかりましたが、土地的には有効利用し、快適な建物となりました。
参考になれば、幸いです。
評価・お礼
SwedenHouse さん
ご回答有難うございます。様々なケースについてお教え頂き有難うございます。
個人的にはやはり行政の申請承認がある方が良いと思っておりますが、いざ何か事故が起きても、行政は一切賠償などしてくれないので、その辺をどう考えるかに尽きると言われております。
伴場 吉之
評価ありがとうございます。
高い擁壁は威圧感があります。ただ、コストは高いが、平場が多く、土地は有効利用できます。低い擁壁や傾斜地は逆。ただ、植栽や建物の外壁や基礎で吸収する手もあります。間知の石垣のテイスト、RCの打ち放しのシンプルでモダンな感じ、擁壁、建物、植栽のボリュームや高さのバランスが大切となります。コストも関係するので、予算内で、概算を取りながら、計画する事をお勧めします。ある意味、計画力が問われます。ただ、設計者とする、腕の見せ所かもしれません。(笑) 今後の土地選びの参考になれば幸いです。
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