対象:離婚問題
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今林 浩一郎
行政書士
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離婚による建物所有権の取得
旦那様の「家はお前らが住め。親への1500万はお前が返せ。養育費は払う。浮気に対する慰謝料は払わない」という主張は法的に認められません。
まず、婚姻中の配偶者の不貞行為は不法行為となり、他方配偶者は有責配偶者に対し、慰謝料を請求できます(民法710条)。
次に、貴女に収入がなく、旦那様に収入がある以上、旦那様が養育費を払うのは当然です。
また、特有財産以外の夫婦間の財産の帰属は、共有に属するものと推定されます(民法762条)。したがって、特有財産である夫名義の建物を除いて、借金も折半されるのが当然ですから、借金は各750万円で折半することになると考えます。
もっとも、建物の名義は夫にあっても、土地名義は貴女のご両親のものですから、夫の建物の土地利用は、使用貸借(民法593条)に基づいていると解されます。使用貸借においては、「当事者が返還の時期及び収益の目的を定めなかったときは、いつでも返還を請求すること」ができますから(民法597条3項)、貴女のご両親は即時に夫に建物を収去し、土地を明け渡すように請求できます。この場合、夫は何ら土地利用の権原を有しないので、貴女のご両親の建物を収去し、土地を明け渡す請求を拒否できません。そこで、一方的に建物を壊して土地を返還するように夫に要求することも可能です。
ところで、財産分与請求は、貴女の住所地を管轄する家庭裁判所に提訴します(民法768条2項、家事審判法9条1項乙5号、同法7条、非訟事件手続法2条1項)。そして、財産分与請求訴訟は調停前置主義が採られますので、原則として訴訟提起の前に事件を家庭裁判所の調停に付さなければなりません(家事審判法18条1項)。調停の場では、土地利用権のない建物の価値は極めて低いので、土地利用を認めること及び慰謝料の支払を交換条件として借金を棒引きにするように交渉を進めることができるかもしれません。あるいは、折半した借金750万円から慰謝料額を差し引いた残額(350万円から450万円程度)を夫に支払い、建物の所有権を取得する方法もあり得ます。
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この回答の相談
旦那の不貞により離婚することになりました。
現在住宅の財産分与について悩んでいます。
旦那と旦那の親から680万と、結婚中にためた貯金120万で2300万の家を建てました。
残りの150… [続きを読む]
mako0987さん (熊本県/36歳/女性)
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