キャッシュフロー分析は信頼できるのか(1) - 住宅費用・資金計画 - 専門家プロファイル

大浦 正
MPcfas 代表
富山県
住宅ローンアドバイザー

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閲覧数順 2024年04月23日更新

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キャッシュフロー分析は信頼できるのか(1)

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将来の金銭的リスクを把握するために、従来よりライフプランに沿ったキャッシュフロー分析が行われてきました。

将来の家計に不安をお持ちの方のコンサルティングを行うには、まず希望する将来設計を聞き取り、ライフプランを明確にし、キャッシュフロー分析により問題点を洗い出すことから始めることが一般的であり、家計診断を行うコンサルタントにとってキャッシュフロー分析は最も重要な分析手法の一つとして位置づけられています。

しかし、その分析実態を見てみると首を傾げざるを得ないものも多く見られます、現在の収入、支出の各項目に単純に係数を掛けて作成されているものがその典型ですが、給与所得一つ取り上げてみても、定年退職するまで上昇率が直線的に推移するなど考えられません。

これは、この分析手法がこのままでは長期の分析には使えないことを示しています、事実、このような分析手法を活用している大手コンサルタント資格取得のためのテキストには、この方法での分析期間は、10年からどんなに長くても20年以下に押さえるようにとの記述があります。

つまり、この分析手法は比較的短期間の分析のみに適用できる手法であり、住宅ローンの支払期間中のリスク把握ような長期間にわたる分析が必要な場合には、信頼性を確保することが出来ないのです。

現在行われている、長期間にわたるキャッシュフロー分析の中には、信頼期間を無視し、何ら信頼性向上の手法、手段を講じずに、単に期間を延長した分析を行っているものも有りますので注意が必要です。

また、将来の予測値を求めるために使用される係数についても、根拠が明確に示されないまま使用されているものも多く見られます。

先に取り上げたコンサルタントの資格取得のためのテキストの中には、「係数は顧客の同意が得られる範囲で設定する」と記述してあります、このように設定された係数では、顧客に不信感をもたれなければ設定根拠は必要有りません。

同意を得られるであろう範囲の中でならば任意の係数が使用可能になりますから、どのような恣意的な操作も可能になります。

また、コンサルタントの中には特定の業者と事業提携を行い、相互の利益の向上を図っている場合も見受けられます、この場合、依頼しようとするコンサルタントが依頼者である貴方に対しコンサルタント業の大原則である「顧客第一主義」を貫いてくれるかを見極めることが必要です。

提携先の業者から顧客を紹介される場合や、企業内コンサルタントの場合は恣意的に数値を操作することにより、提携先間における相互の利益や、自社の利益を優先する可能性が否定できなくなります。

工務店と提携している家計コンサルタントが、工務店を通じ顧客を紹介された場合を例に挙げて考えてみましょう。

分析で顧客の将来に懸念があることが示された場合、提携先である工務店の意向を無視して顧客に住宅取得の断念や、建築規模の縮小を迫ることが出来るでしょうか。

この例の場合では、先に述べたように恣意的な操作を行い、収入を多く、支出を少なく操作することにより、表面上キャッシュフローに問題が無いよう取り繕った結果が提示される可能性が否定で来ません。

これは、コンサルタントの信頼性の根幹に関わる問題です、独立系コンサルタントと異なり、特定企業と提携関係にあるコンサルタントや、企業内コンサルタントは、信頼性を確保する手段を講じていることを示せなくては、キャッシュフロー分析は住宅建築の前の単なるセレモニーに過ぎなくなるのです。

ここまでお読みいただいた方は、キャッシュフロー分析について不信感を抱かれたのではないでしょうか。

次回は、この不信感を払拭し信頼感に変えるにはどのような対策が採られるべきかについて述べたいと思います。

「家計診断」に関するまとめ

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