中庭のある家をコートハウスと呼びます。語源は不明ですが・・・
間口が狭く奥行きの長い、俗に云うウナギの寝床と呼ばれる敷地に向いています。間口の狭い敷地は住宅密集地に多い敷地で、大通りに面して一件でも多く家を建てる為、又はその昔、間口の広さで納める税金の額が違ったから、そんな敷地が出来たとされています。
その様な敷地に建てる家は中央部分の部屋の採光や換気が充分でなく、家の中央にありながら外部空間を設けて採光と換気を確保しようと考えられたのが中庭の始まりです。
メリットは採光と換気を取り込むだけでなく、完全にプライベートな庭を確保出来たり、ありきたりな間取りに変化を持たせたりすることが出来ますので、良く雑誌等に掲載されます。それがデザイン的に優れたものが多いため、特に間口が狭くなくても、コートハウスのプランを依頼されることがあります。
デメリットは無いのかと云いますと色々あります。まず構造的に不安定になってしまう事です。コの字型やL字型の家は地震に弱く、それを補強するため間取りに制限を受けたりします。またプランにしても動線が中庭で分断されてしまい、家の中をうろうろと歩く距離が長くなってしまいます。
間取りと敷地の関係は不可欠です。敷地の条件に合わせて、その敷地がコートハウスに向いていればコートハウスを検討すればと思います。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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