- 田川 耕
- フードビジネスコンサルタントオフィス シナプス 代表
- 東京都
- 飲食店コンサルタント
対象:飲食店経営
- 平岡 美香
- (マーケティングプランナー)
マクロな視点で見ると、1997年をピークに右肩下がりが続いている外食産業。たしかに、不景気や東日本大震災などの影響で不安視されることが多かったのも事実。
しかし、「飲食業界を取り巻く環境はそれほど悪くない」とワタシは考えます。
外食産業の成長を支えたナショナルチェーン店は、資本力を武器に、大箱のお店を一等地に出店して、多くのお客さまを取り込んでいたのであります。
一等地であること、大箱であることがお客さまに対して利便性と安心感を提供することが出来ていたことが理由なのでしょうが、今、ここに来てかなり苦戦を強いられているのです。
大箱であるが故に多くのお客さまを集客しないとならず、万人に利用していただくことを考えるあまり平凡な商品構成となってしまったことが、競争力を失い、結果として誰もがココを魅力的なお店としてみることが無くなっているのです。
その結果、安く売ることでの魅力を追求することとなり、“280円均一”なんて居酒屋が増えてきているのだと考えます。
また、一等地であるが故に賃料も高く、利益を出すためには原価や人件費を抑えざるを得ないことにもなり、さらに悪循環を招いているのでしょう。
かつては利点であったことが、今の時代では、それが欠点に変わってしまったってことであり、時代の変化(ニーズの変化)に対応しようと思っても、その店数の多さで、そう簡単には変えることも出来ない。スケールがメリットであったこともデメリットへと変わったということでもあるのでしょう。
市場の中で大きなシェアを占めるナショナルチェーン店の業績数値が統計に与える影響は大きく前術のような結果になっているのであって、決して外食そのものが見放されている訳ではないのです。
いや、むしろ気軽に楽しめるレジャーとして身近なものになっているといっても過言ではないと考えます。
飲食店のクチコミサイト「食べログ」への注目度、個人ブログでのグルメ情報など、インターネット上では「食」に関わる話題が満載であることが、それを裏付けしていると考えて良いのではないでしょうか。
極端な言い方をすると、ナショナルチェーンの時代は終焉を向かえ、これからは、時代のニーズにあった個人店の時代なのです。
資本がないが故の二等地出店、それが隠れ家的であったりとか、わざわざ動機の創出であったりとかプラスに働く面が大きいのです。さらに、小さなお店だからこそ、細かいターゲットの絞込みをすることが出来、ココでしかいただけない商品、特徴ある商品、などこだわりの商品を販売することが可能となり、さらにお客さまの注目度を高める結果になるのです。
事実、ワタシの事務所がある横浜では、裏横浜とも呼ばれるトコロにありながら、いつも満席でお客さまが溢れている居酒屋『○う商店』であるとか、シャッター通りになってしまった戸部商店街にありながら、唯一お客さまが並ぶ『田中屋』というお蕎麦屋さんがあったりします。
つまり、大手を真似るのではなく、大手に出来ないことや時代のニーズを先読みして、お客さまに対して、お値頃+αの提供をすることで繁盛を手にしましょう。
メニューの改善や、新規出店などのご相談はお気軽に当社へお問合せ下さい。御社の得意分野や立地環境を加味した、時流の提案をさせていただきます。
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