私が昔、レストランでアルバイトしていたときのことです。
200グラムステーキというメニューがあり、看板メニューでした。
あらかじめ別の担当の方が肉を切ってあり、あとは焼くだけというものでした。
その切ってある肉の重さを測ってみたところ180グラムしかありませんでした。
最初はそんなもんかと思っていたのですが、仕事に慣れてくると気になって仕方なくなったので、社員の人に聞いてみました。
「なんで、200グラムって書いてあるのに、ほとんど200グラムじゃないんですか?」
「一枚で切らなくてはいけないし、ぴったりなんて難しいし。」
私はこのやり取りをしてから、200グラムになるように心がけて切るようにしました。
少なくなるように切ると応用がきかないので、ちょっと大きめに切って200グラムになるように調節するようにしました。
そうこうしていると、肉の切り口の面積からどのくらいの厚さで切れば200グラムになるのかということが、感覚的に分かるようになってきます。次第に私の切った肉はほとんど200グラムとなりました。
と、ここで肉の切り方のコツをお話したいわけではありません。
別に肉を200グラムで切ることというのは、やってみるとさほど難しいことではありませんでした。ではなぜ誰もやらないかというと、従前からやっていなかったからです。
この結果、意外なことに、他の方も200グラムを意識して肉を切るようになりました。
できるか、できないか、ではなく、やるか、やらないか。
どんな組織においてもこうした問題は存在していると思います。ただ、「見えていない」だけ。
誰かがそこに疑問を感じて変えようとすれば、それは組織の進化のチャンスです。
しかし、行動を起こそうと思っても、旧態依然とした組織であればあるほど、そうした思いを実行に移すのは困難です。
先ほどのレストランはせいぜい10名程度でしたので、一人の行動が波及しやすかった環境だったのでしょう。
組織が大きくなればなるほどに、トップのコミットメントが変革に必要不可欠な要素となってきます。
隠れた改善の芽を見つけ、それが組織にとって良い点となれば、バックアップしていく。
そうした体制は、組織の業務をよくするだけではなく、思いを形にできる場を与えらえた社員にとってもモチベーションアップの要因となります。
とはいえ、上司に対して提言するということは、現実問題として、非常に困難です。
やはり、第三者の視点というものが重要になってきます。
意見を出し合える場というのを提供することが、まず重要です。
そうした中で、思いを抑え込んでいる社員に積極的に変革を促していくことが、重要です。
変えたいという思いを持っている社員こそが、その組織を強くしていける人財なのです。
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