耐震リフォームのチェックポイント コラム⑤ - 耐震検査 - 専門家プロファイル

菊池 猛
株式会社 アイジーコンサルティング 不動産インスペクション課 課長
静岡県
中古住宅専門家

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対象:住宅検査・測量

伊藤 裕啓
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(一級建築士)
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(一級建築士)
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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耐震リフォームのチェックポイント コラム⑤

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だまされないために…


耐震リフォームは様々な業者が行っています。中には、詐欺まがいの耐震リフォーム工事も存在します。

手口は、いきなり訪問しきちんとした耐震診断もせず、この家がいかに危険か、専門用語を使って不安をあおり、すぐに工事を行なってしまうという手法です。

中には、「区(市)から頼まれて、建物の耐震強度の調査に来た」「全ての木造住宅に耐震診断をすることが義務付けられました。

今申し込むと無料ですが、業者さんに個人で頼んで有料で行ってもらうこともできます」などと名乗り、名簿と地図を持って、個別訪問している事例もありました。

また、「屋根やさんが廻ってきて『瓦がズレているから、みてあげますよ』と、言われたので心配だからみてもらえますか?」とよく言われます。


もちろん、彼らも見ることは見ますが、実際は何の問題もないことが殆どです。

訪問販売の業者は、悪いところを見つけて声を掛けるのではなく、手当たり次第に声を掛けて、誘いに乗った人を相手にするのです。

訪問販売の業者にとっては、屋根や外壁が劣化していようが、健全であろうが、配水管が壊れていようがいまいが、まったく関係ないのです。

「家が壊れていますよ、このままだと危ないですよ」と手当たり次第、声を掛け、心配になった人を、狙うのです。


このような不安商法での耐震リフォーム工事には、 • 殆ど効果の無い金物を大量に取り付けられていた• 基礎の補強を行ったが、通風口を塞ぎ床下換気ができなくなっていた• 壁の補強が偏っていて、却ってねじれやすくなっていた というように、前より悪くなってしまっているケースもあります。

昨今、訪問販売による悪質耐震工事が社会問題となっています。

特に首都圏直下型地震の発生が危ぶまれているという話題をもとに、危機感を煽り契約させる手口が多いようです。

誠実に事業を営んでいる業者さんも沢山あると思いますが、一部に問題の多い業者が多数存在していることも事実で、耐震補強工事の需要が拡大するにつれて、トラブルの件数も年々増える傾向にあります。

また、家屋補強(金物だけ取り付け)をして耐震対策は万全だと誤認している方々も少なくありません。 


家屋補強の事例 画像1参照  ※「家屋補強」は「耐震補強」ではありませんのでご注意ください!


家屋補強とは、主に構造材への金物取り付けを主体とした工事で部分的な補強といえます。

本質的な耐震性能の向上にならない場合や他の部分への悪影響の可能性もあり注意が必要です。工事名称(耐震補強・家屋補強)の使われ方は様々ですので、工事内容の真意を見極めることが大切です。

地震の不安、倒壊の不安などに浸け込まれないように十分注意して下さい。 

業者に勧められるままに耐震診断や耐震補強を行うのではなく、自らも耐震について事前に調べたり、耐震に関する専門用語を知っておく必要があります。くれぐれも突然の訪問販売には注意しましょう。



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