- 釜口 博
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対象:お金と資産の運用
ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。
日本国債は、日本国内の投資家が90%以上保有しており、
安全だというのが定説である。
今まで日本国債は、外国人投資家に国債を売り込まれた影響で
財政危機に陥ったギリシャとは違うということだった。
ところが、その安全神話が徐々に脅かされているという見通しを
発表した三菱東京UFJ銀行の分析は、貿易収支が赤字に転落すると
日本国債の信用力が下がり、10年国債の金利が現状の1%程度から
3.5%程度まで急騰する可能性があるとしている。
三菱東京UFJ銀行は日本の経済成長率・為替レート・経常収支など
30指標を点検し、国債価格の下落の兆候が出次第、
すぐに国債売却に乗り出すとしている。
そんな中、財務省が1月25日に発表した2011年の貿易収支
(輸出額から輸入額を引く)は2兆4927億円の赤字となり、
31年ぶりに赤字に転落した。
貿易収支が赤字になれば、機関投資家たちも一斉に
国債売りに出る公算が大きく、
金利が一時7%まで上昇したイタリアのように、
財政が悪化する可能性がある。
貿易赤字が膨らめば経常収支も悪化する。
経常黒字だと海外から借金する必要はなく、今は国内投資家が
日本国債の9割を買っているが、貿易赤字に転落すれば
国内だけでは国債をさばけず、海外投資家に頼むしかない。
国の負債が、国民の金融資産(1500兆円)規模に近づき、
経常収支の赤字が継続される恐れがあるだけに、
長期国債の金利が跳ね上がる可能性がでてくる。
例えば、三菱東京UFJ銀行が予想する国債金利として想定した
3.5%になれば、国債の返済に使われる利子だけで20兆円以上増え、
どれだけ消費税を上げても、借金返済のための新たな借金が
山のように増えて財政破綻にいたる可能性が高くなる。
貿易収支の赤字化は、為替相場の流れを円安に向かわせ、
円安は輸入価格の上昇を招き、物価の上昇をもたらし、
物価上昇は国債金利と政策金利の上昇をもたらす。
金利が上がるということは、世の中のお金の価値が下がるわけで、
タンス預金や、長期固定金利型の金融商品、貯蓄型保険などは、
おおきな損失を出す可能性が高くなる。
反対に貿易収支の赤字化による円安で、
外貨建て金融商品の収益は上がりやすくなり、
インフレ対応型のリスク性金融商品(株式や投信、ETFなど)
も利益が上がりやすくなってくる。
国債金利上昇シナリオを描くとすれば、
外貨建てのリスク性金融商品を保有していることが
最大にリスクヘッジになると思われる。
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