![市村 光之](https://d32372aj5dwogw.cloudfront.net/home/profile/front/html/img/professional/ll/1324391647.jpg)
- 市村 光之
- キャリアリーブス 代表
- 東京都
- キャリアカウンセラー
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
前回は物質的な価値から精神的な価値へ、求める幸せの変容を中心にお話しました。今回は、もう一つの大きな変化について説明します。
●キャリアパスの変容
1970年代くらいまでの日本の企業社会では、終身雇用・年功序列を原動力に、総合職・一般職の違いはあるにせよ、20代は平社員でも、30代前半で係長、30代後半で課長、40代で部長・・・と昇格し、給料も毎年少しずつ上がりました。キャリアパスは、終身雇用を前提として企業が引いた昇進というレールでした。ずっと拡大基調でしたので、企業組織も拡大し、社員が相応の年齢に達すれば、それに応じたポストを用意することができたのです。
1980年代以降、産業・企業の成長のカーブが鈍化すると、大量採用した社員に割り振るポストが不足し、年功序列の秩序が乱れ出します。管理職のポストは限られていますので、給与待遇は管理職クラスでもラインのマネージャーにはなれない専門職ができました。さらに派遣社員、契約社員という終身雇用を前提にしない事務職クラスも出現しました。唯一絶対だったキャリアパスが複線化し、または崩壊しているのです。
キャリアパスが今も存在するかに見える大企業といえども、事業再編や合併などにより、約束されていたはずの梯子が外されることもあります。「ウチにキャリアパスはありません。パスは自分で創るものです」とは、あるインターネット関連企業の人事課長のことばです。技術革新に伴い事業形態が常に変化するインターネットの世界では、キャリアパスなど初めからありません。ビジネスの変化に適応して、自分のキャリアパスは自分で切り拓かなければ、5年後、否、1年後の存在価値がなくなるのです。
ワーク・ライフ・バランスという用語に代表されるように、私たちの社会人としての生きかたは多様化しています。または、好むと好まざるとに係わらず、自律的に自分のキャリアを形成する道を探らなければならない状況にあります。
仕事一辺倒の価値観から、ハンセンの言う《愛》、《学習》、《余暇》などとの統合へ。ハンセンは、「生きかた」の視点でキャリアを考えるべき、と言いますが、では、どんな切り口で考えれば、自分らしい生きかたを構想できるのでしょう。
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