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対象:心と体の不調

茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年05月10日更新

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がんばろう日本!災害時に心身の健康を維持・向上する方法(9)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・さて今回の大震災では、被災者自身や被災者を救援する立場の方々だけでなく、被災地から遠く離れた地域の一般国民であっても、様々なストレスや心身の不調に見舞われる方が続出しています。例えば東京周辺の病院の場合でも、なかなか眠れない、いつも揺れているような気がする、頭痛や肩凝りがひどい、血圧が上がった、イライラする、食欲がない、時々息苦しくなる、などといった症状を訴えて来院する方が、震災の後たいへん増加しています。

 

また病院を受診するほど深刻でなくとも、地震の後どうも体調が悪い、気分が優れない、という方が男女や年齢を問わず目立ちます。特に子供への影響が大きく、夜泣きする、親から離れられない、指しゃぶりする、などの症状を示す子供が増えています。企業に於いても、震災後の交通の混乱や物流の支障などに加えて、社員の心身の不調とそれに伴う欠勤等の増加により、企業活動に影響の出ているケースが続出しています。

 

災害による直接の被害を受けていない国民一般であっても、何らかの物理的あるいは健康上の被害を受けている人は一般に「3次被災者」と呼称されます。そう考えると、今回の震災ではたいへん多くの3次被災者が出現した、と考えられます。被災地だけでなく首都圏などでも発生した停電やガソリンの欠乏、福島第1原発からの放射能漏れや野菜等の放射能汚染だけでなく、上記のような心身の不調まで幅広く含めると、大多数の国民が3次被災者である、と言えなくもありません。

 

それでは非常に多くの国民が心身の不調に見舞われている理由としては、どのようなものがあるのでしょうか。最大の理由は何といっても、被害の大きさや範囲の広さ、犠牲者の多さなど、災害の桁外れの甚大さにあることは確実です。またそれと並んで、原発事故の拡大とそれに関連した停電など、複合的な圧迫要因があることも見過ごせません。そして被災地の悲惨な映像や報道がリアルタイムでメディアを通して流されていることも理由の一つと考えられます。

 

つまり国民は、津波に家や車、船などが流されている映像、避難所に於ける被災者の悲しい現状、原発事故の深刻な状況、などといったショッキングなニュースと映像をイヤというほど見せつけられているのです。それによって、自分も被災地に居て被災者と同じ体験をしている、或いは原発付近で自分も被曝している、などと潜在意識が判断してしまい、知らず知らずのうちに被災者やその関係者と類似の心理的体験をさせられている、という構図になっています。

 

その一方で多くの国民は、被災地のすぐ近くでもない限り、ほぼ普通通りの日常生活を送っています。そうすると、上記の悲惨な心理的体験と普通の日常体験との間を行ったり来たりすることになり、心理的に大きなストレスが降りかかります。その結果、心身の状態がたいへん不安定になり、涙もろくなったり、怒りっぽくなったり、パニックに陥ったりといった様々な心理的トラブルに見舞われやすくなります。それでは、このような状態を未然に防ぐ、あるいは軽症で済ませる方法はないものでしょうか・・(続く)

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