- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 平 仁
- (税理士)
環境経営学会主催のシンポジウム「低炭素社会を切り拓く中小企業の
戦略経営の方向を探る」に参加してきました。
地球温暖化の原因であるCO2等を削減する「低炭素・脱炭素」の取組
について、わが国産業の中核をなす圧倒的多数の中小企業は、この長引く
不況にあえぎ、なかなか環境問題に対してまで気が回らないのが実情です。
シンポジウムでは、ニッセイ基礎研究所上席主任研究員の川村雅彦氏による
「中小企業のカーボンマネジメントの実態と課題」と題する基調講演を
踏まえ、自分たちのできるところから環境対策に取り組み、それも社員全員で
取り組み続けている2社(印刷業界の(株)ディグ、コーンスターチを原料
とする粘着剤を使ったガムテープの日本理化製紙(株))の取組を紹介し、
九里徳泰富山県立大学教授を交えたパネルディスカッションが行われました。
川村氏は、わが国のエネルギー起源CO2総排出量の約15%が中小企業で、
中小企業がCO2排出量を2~3割削減することが重要だという。
しかし、2009年に日本生命が行ったアンケート調査によると中小企業の
4割が環境対策に対応しておらず、3割が情報源さえもっていないという。
情報源に関しては、大企業は25%が政府機関から18%が調査研究機関から
9%が銀行から情報を得ているのに対し、中小企業は政府機関12%、
調査研究機関6%、銀行5%と大企業に比し半減する一方、設備メーカーや
ゼネコンからが13%、電力・ガス会社から11%となっている。
それ以前に、現状把握ができていない企業が、大企業13%に対し中小26%、
社内に専門家がいない企業が、大企業12%に対し中小22%と、
設備の老朽化(大企業16%、中小19%)を認識しつつも、取組の基盤となる
情報や人材が不足していることが明らかになってくる。
ところが、経営トップが強い意思をもって環境対策に取り組んでいる会社も
あるわけで、なんとか引き下げたCO2排出量を元に戻さないことためにも
意図的に言い続けることも必要なようです。
また、改善に金銭的インセンティブを与えても、お金が目的になってしまい、
効果が薄れるので、やり甲斐、働き甲斐につなげるやり方が大切なようです。
(株)ディグの杉井社長の言葉が印象的だったのですが、環境経営を進めてきた
結果、後付けで社員教育やブランディングができてきたこと、大企業のように
計画ありきではなく、その場その場でイマジネーションを働かせることが大切、
ということは、環境問題への取組だけではなく、経営者の悩みの解決に
共通することだなと感じました。
目の前にある当たり前のこと、できることから取り組んでいくこと、
問題を解決していくことが大切で、資金も人材も不足する中小企業は
その都度、創意工夫を凝らさなければ生き残れません。
やり続けることが結果として評価されたに過ぎないんですよね。
そして、それが成功した方が語る成功への近道なんでしょうね。
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