グリッシーニとは - 西洋料理 - 専門家プロファイル

大庭 麗
イル・クッキアイオ イタリア料理教室 
料理講師

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閲覧数順 2016年12月05日更新

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グリッシーニとは

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イタリア食材

今から約10年前料理の修業でイタリアへ移り住んですぐに
初めて食べたあるグリッシーニ、その美味しさの鮮明な記憶

久しぶりにそんなことを思い出し
それをきっかけにグリッシーニ[伊:grissini]について取り上げてみます。


そもそもグリッシーニは1670年代のイタリア北部
ピエモンテ州トリノの宮廷パン職人 アントニオ・ブルネッロが
宮廷の医師に、病床のサヴォイア家の幼い公爵
ヴィットーリオ・アメデオ2世の為に消化のよい細長いパンを
依頼されたのがそのはじまりと言われています。

消化の良い細長いパンと言われると
少々不思議な感じがしますが
病床に居たヴィットーリオ公爵は
非常に食が細く、通常のパンを飲み込むことが
大変難しかった為、医師がパンを細長くすることで
中まで完全に加熱し、より消化にもよく食べ易くすることを
提案したそうです。


という訳でサヴォイア家の幼い公爵の為に作り出された
グリッシーニ。その後、その人気は広まり美食家として有名な
カルロ フェリーチェをはじめ、後にはフランスのナポレオンがこよなく愛したことでも
有名です。しかし、当時ナポレオンの居たパリの気候はグリッシーニ作りと合わなかった様で
当時、les petites batons de Turin. “トリノの小さな棒”と呼ばれた
トリノのグリッシーニをナポレオンはわざわざ定期便でパリに運ばせていたそうです。
なんとも贅沢な話ですが、その美味しさにはそれだけの価値があったと思うと
グリッシーニというパンの偉大さを感じさせられます。


その作り方は、通常のパン生地とほぼ同様の配合で作られる事が多いのですが
食感を良くする為に麦芽や脂分が足すことも多くあります。
そして生地の形成では幅約1.5センチ長さ約10センチのパン生地の両はじを持ち
職人の肩幅に近い約30センチくらいの長さまで伸ばし、天板に並べます。
その後高温のオーブンで短時間で焼いて、内部まで完全に乾燥させてできあがります。


古くは王族や貴族の食べたグリッシーニは上質な小麦粉のみが
使われていたのに対し、庶民が食べていたものはsegaleと呼ばれる
ライ麦が混ざった小麦やとうもろこしの粉ポレンタが生地に練りこまれていました。
現在でも全粒粉をはじめ、ごま、セモリナ粉、ケシの実、ローズマリーなどを混ぜ込んで
作られるグリッシーニもまた、有名です。


そもそもグリッシーニというその名前は
gherssaという北イタリア ピエモンテ州に伝わる細長いパンを意味する
この地の方言が語源となっており、その後gherssinと変化し
その名前が生まれたと言われています。


細い棒状の固いパン、グリッシーニ。
そもそもトリノの地には、方言でrubatà または robatàと呼ばれた
rotolato(巻かれた)を意味する40センチ~80センチもの
長さのひも状のパンが存在しました。
トリノの Andezeno, Monregaleseの地域に存在した
そのパンこそがグリッシーニの原形であると言われており
サヴォイア家によるグリッシーニの発祥は、単なる偶然ではなかったようです。

そのトリノはグリッシーノポリ(グリッシーニの都市)というあだ名が付けられる程に
グリッシーニが好まれている地としても有名です。
通常は食事の際のテーブル用のパンとして、束となってグリッシーニは提供される
イメージですが。

トリノでは朝食にはカップチーノと昼食にはブロードと
朝から晩までグリッシーニが消費されるほど、グリッシーニと密着した生活も。

そして、グリッシーニと卵、牛乳を用いたベニエ風のデザートまで
存在するそうです。

北イタリア ピエモンテの味グリッシーニ、
ナポレオンも愛したその味。


イタリア国内においても、ピエモンテ州を離れると
残念ながら工場での大量生産されたグリッシーニと出会う機会が
多いですが
是非一度、ピエモンテ州で千歳飴の様な太さのある
手作りのグリッシーニを口にしてみてください。
 あなたのグリッシーニ感が、変わることを保証します。


美味しいグリッシーニは
食事のテーブルを幸せに


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