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対象:心と体の不調

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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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ホノルル「完走」日記・マラソンブームと関連産業の隆盛(5)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・マラソン当日は午前2時にアラームをセットしていましたが、何と午前0時過ぎには自然に目が覚めてしまいました。緊張感や期待感からか、眠気や疲れは全く感じません。レース中に摂取するゼリー状の補助食品などは前日のうちにウェストポーチに入れるなどして準備は万端です。何しろ40km以上を走るのですから、走行中の「ガス欠」は何としても避けなければなりません。だいたい30km前後からエネルギー切れの状態になると言われるので、途中の補給食は不可欠です。その他ゼッケンや計測チップも装着済みです。部屋内で入念にストレッチをするなどして集合時間の3時まで過ごしました。

 

会計士らの仲間と午前3時過ぎにタクシーに乗り、スタート地点のアラモアナ・ビーチパーク前まで向かいました。東京などとは違ってホノルルの夜は暗く、店は殆んど開いていません。ところが道路は大型バスなどの通行が頻りで、会場へ向かうランナーを乗せているのだと分かりました。タクシーを降りてスタート地点まで歩いていくと次第に人が増えてきました。スタートの1時間半も前だというのに、もうランナーが大勢集まっているのです。放送局のテントでは英語と日本語のアナウンサーが交代で、ランナーを鼓舞するトークを大声で放っていました。マラソン本番の雰囲気は、今まさに最高潮です。

 

ランナーの総数は3万人弱というから凄まじい人数です。実際にスタート時刻が迫ってくるにつれてスタート地点付近にはみるみる人が増え、場所によっては身動きが取れないくらいです。目標タイムごとにスタートの順番が決まっていて、早くゴールしたい人ほど前に並びます。試しに最前列まで行ってみたところ、いかにも屈強なアスリートが揃っていて雰囲気も張りつめた感じです。それに比べると我々の陣取った「5~6時間レベル」の集合場所は人数こそ莫大ですが、かなりのんびりした雰囲気でホッとしました。ランナーの顔触れをみると様々な人種がいますが、日本人が7割くらいを占めているようです。

 

12月12日午前5時。いよいよスタートです。スタートを告げる大声のアナウンスに続いて花火が次々と打ち上げられました。まだ真っ暗なので花火がよく映えるのです。歓声とともにランナー達がそれぞれ携帯カメラで撮影していました。私もポーチに携帯電話を入れていたので、何枚か撮りました。我々の位置する集団は先頭よりもかなり後方なので、スタートラインまでは100メートル以上の距離があります。従ってスタートしてから10分くらいはノロノロ歩行が続きました。花火によるお祭りムードも手伝って、一瞬ですがマラソンに来ていることを忘れてしまったくらいです。

 

スタートラインを越えるあたりからようやく集団が走り始めました。シューズには計測チップを装着していますが、スタートラインを越える瞬間に作動し始め、ゴールラインを越える時点で計測を終了します。そこで瞬時にタイムが計測されるのです。従って混雑のためスタートラインを越えるのに時間がかかったとしても、ちゃんと個人のタイムは計算してくれるので心配は要りません。スタートしてしばらくは、まだ暗いホノルルの街をひた走りますが、驚いたのは沿道にびっしりと地元の人が応援のために並んでおり、口々にランナーの健闘をたたえる声援を送ってくれるのです。これには大変勇気付けられました。

 

気温も20℃弱と丁度良いくらいです。常夏のハワイでも冬の早朝はさすがに涼しく、快調に走れました。ただスタート当初は直前に詰め込んだバナナやパン、ノニジュースなどのためにお腹がパンパンで、少しセーブして走りました。進むうちに集団がバラけてきて順位が目まぐるしく入れ替わりますが、概ねペースはゆっくりです。早くも歩いている人が目立つのは意外でした。中にはお祭り気分からか、花嫁姿や昔の殿様姿などに変装して走っている人もいます。私は集団の中でも速い方で、歩行も交えながら千人くらいは抜いたのではないかと思われますが、後から考えるとそれが後半の苦戦につながったのです。

 

ワイキキ・ビーチを過ぎ、30万年前の噴火で形成されたダイヤモンド・ヘッドという火山の麓の道を上るあたりで、空がようやく白々と明けてきました。このあたりから狭い上り坂ということもあり、集団のペースがさらに遅くなります。13km付近でコース全体の最も標高の高い地点を迎えましたが、ここで太平洋からの見事な日の出を拝み、一瞬ですが走る疲れを忘れることが出来ました。ここから急な下りになりましたが、驚いたことに、早くも折り返してきた先頭集団が反対路線を走り去っていきました。ものすごいスピードと気迫です。それを見てこちらも「頑張ろう!」という気になったものです。

 

17kmから24km地点にかけてはカラニアナオレ・ハイウェーの一本道が続きます。これまでの変化に富んだ風景とは違って単調なため心理的に辛い区間と言えますが、反対車線を走る先行グループの様子を見ることで気分が紛れます。当初は先頭に近くて大変速い集団でしたが、次第にゆっくりとした集団に変化し、中には歩いている人も散見します。私は時々歩行を入れて快調に走っていましたが、20km辺りから左膝の外側が痛くなってきました。いつも決まって痛くなる場所です。「いよいよ始まったか」と感じました。そこでポーチに忍ばせていた鎮痛剤を飲み、歩く区間を増やしてペースダウンしました・・(続く)

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