社会保障・税一体改革素案(3、相続税控除額引下げ等) - 税務全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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社会保障・税一体改革素案(3、相続税控除額引下げ等)

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税制改正 平成24年度税制改正

消費税率の引き上げが目立っているとはいえ、一体改革素案では、実現できずに先送りされた平成23年度税制改正大綱において導入提言された多くの改革案が再提言されている。

 

所得税では、課税所得1800万円超における税率40%を上限に6段階の累進税率が設定されているが、課税所得5000万円超における税率45%を平成27年度より創設し、高額納税者に対する課税強化を図っている。

 

相続税では、基礎控除を現行の5000万円から3000万円に、法定相続人比例控除を現行の1000万円×人数から600万円×人数にそれぞれ引き下げることが提言され、基礎控除後の課税価格が3億円以下の税率40%、3億円超の税率50%を上限にした6段階の累進税率を、2億円以下40%、3億円以下45%、6億円以下50%、6億円超55%の8段階に変更し、高額納税者に対する課税強化を図っている。

 

財産保有者や高額所得者といったいわゆる資産家に厳しい税制にシフトする一方、弱者保護を旨とした社会保障政策を手厚くするといういかにも民主党らしい政策といってもいいでしょうね。

ただ、心配は、金持ちが税金の高い日本に財産を残さずに海外財産にシフトしてしまう可能性や、日本国籍さえ捨て、タックスヘイブン国に移転してしまう危険性を感じてしまいますね。

実効税率で半分以上国に持って行かれるとしたらやってられないというのが本音でしょう。

そういう意味では、所得税や相続税の税率引き上げは限界に近いですね。

 

また、この相続税改正は、高額納税者とばかりとは限りませんのでご注意を。

配偶者と子供2名であれば、相続財産額4800円を超えてしまえば相続税の対象になるのですから、いわゆる首都圏に一軒家を保有されている場合には、課税対象になる可能性が高いとみています。

小規模宅地の特例や配偶者特例等を使って相続税額ゼロだとしても、これは申告要件ですから、申告が必要になります。

税理士にとってはビジネスチャンスと見る向きもありますが、無用のトラブルが増えてしまいそうな予感がします。

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