一般の方が不動産を買ったり、売ったりするときに窓口となる不動産仲介業者。
その窓口を選ぶ際にハッキリとした判断基準を持っている方は少ないのではないでしょうか。
窓口として選んだ仲介業者が、取引内容に精通していなかったり、ご自身の希望に合わなかったために被るかもしれない損失は決して小さくはありません。
ひとくくりに「不動産仲介業者」といっても、様々な会社があり、各社それぞれ得意とする分野は異なります。
各社の特徴をある程度把握していれば、「自分に合った仲介業者選び」もスムーズに進みます。
今回は第2弾として、母体となる企業の系列別で分けた不動産仲介業者の特徴をご説明します。
1.銀行系仲介業者
信託銀行の不動産部署が母体である仲介業者。
近年では母体銀行の統合・合併が多く行われ、銀行系仲介業者も下記の4社となっています。
・三菱UFJ不動産販売
・みずほ信不動産販売
・すみしん不動産
・中央三井信不動産
仲介業者ではあるが、母体が信託銀行ということもあり、一般的な仲介業者のように「営業マンがノルマに追われている」という印象は少ない。
営業マンの定着率も高く、キャリアを積めば法人所有の不動産売却・入札業務、相続案件など高度なスキルを要求される業務も行うため、組織内に蓄積されたノウハウは非常に高いものがある。
ただし、個人のお客様が「居住用不動産を買いたい」というケースにおいては、物件の情報量・営業マンの機動力といった点で、他の系列の仲介業者に見劣りしてしまう場合も少なくない。(当然、地域差・個人差はあります。)
2.私鉄系仲介業者
私鉄各社が100%出資をしている仲介業者で、親会社の沿線に特化した店舗展開を行っています。
私が業務を行う神奈川エリアでは下記のような会社があげられます。
・小田急不動産
・京急不動産
・相鉄不動産 …等
親会社が売主となって行う開発事業や分譲事業などで、販売代理や専任販売活動を行うことも多く、また沿線内での買い替え層を多く取り込んでいるのが特徴です。
「特定沿線の旧分譲地の売り情報が欲しい」という方は、系列の不動産仲介業者に声を掛けておけば、いち早く情報が入るかもしれません。
3.フランチャイズ系仲介業者
販売ノウハウの提供・経営指導等を行うフランチャイズ本部と、加盟店により構成されています。
基本的に加盟店は「独立・自営」の会社であり、従業員10名以下の会社がその多くを占めます。
代表的なフランチャイズ本部には下記の会社があげられます。
・センチュリー21
・ERA(イーアールエー・ジャパン)
・ピタットハウス …等
加盟店は独立・自営の会社ですので、それぞれの会社により違いもありますが、不動産の購入(特に不動産業者が売主の建売住宅)に特化した営業活動を行う会社が多いのが特徴です。
加盟店により差はありますが、仲介業界の中で給与体系に「高歩合給」を取り入れている会社が多く、営業マンの定着率も低い傾向にあります。
建売住宅等で一般の市場には出回らない、いわゆる「未公開物件」を取り扱う場合も多々ありますので、特定エリア内でそのような物件の情報収集を徹底したい方にはメリットがあるように思います。
前回の第1弾(不動産仲介 各社の特徴vol.1)と今回の第2弾で、大まかな不動産仲介業者の特徴を説明いたしました。
不動産売買を行う上で「自分に合った仲介業者選び」のご参考になれば幸です。
リード 中石 輝
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