- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
鳩山氏が攻め、麻生氏が防戦に終始する印象でしたが、財源問題については、
ここでも前に書きましたが、鳩山氏の政策に?が拭えませんでしたね。
17日18時17分トムソンロイター記事はこう報じた。
麻生太郎首相(自民党総裁)と鳩山由紀夫民主党代表の2回目の党首討論が
17日午後に行われ、財源問題について互いの主張を展開した。
少子高齢化が進展する中で避けられない社会保障費の増大を賄う財源
について、麻生首相が3年後に経済状況が好転した場合の消費税引き上げに
言及する一方、鳩山代表は無駄の削減が優先と主張し、政権奪取後も
「4年間は消費税を引き上げない」ことを明言した。
(略)
麻生首相は、社会保障費の財源問題に関連し、民主党が当面は消費税を
引き上げない方針を示していることを踏まえ、「消費税の論議を避けて
通るのは、財源を避けて通ることになる。財源をきちんと提示してこそ
初めて政策が実現しうる」と財源論争に持ち込んだ。
財源について麻生首相は「3年後に景気が回復してきた状況において消費税
を含めた税の抜本改正を行い、社会保障関係をきちんと手当てする。
その財源について消費税は避けて通れない」と景気回復後の消費税引き上げ
に言及した。
これに対して鳩山代表は「徹底的に無駄遣いをなくすことからスタート
したい」とし、「本来なら消費税を上げないで済む話なのに、(麻生政権は)
官僚主導なので無駄がない、減らせないという話になる」とこれまでの
主張を展開。
「政権を獲っても4年間は消費税の増税をしないと明言する」と強調した。
財源の捻出方法については、一般会計と特別会計を合わせた210兆円程度
のうち、社会保障費や国債費などを除いた約70兆円が見直し対象になるとし、
「随意契約の見直しや不要不急なものを後に回せば10兆円くらいは
削減できる」と語った。
こうした考えに対して麻生首相は、会計の内訳を示した上で現実的ではない
と述べ、「不安感を持たざるを得ない」と反論した。
小泉元首相が私の在任中は消費税は上げないと明言して先送りしてきた
消費税問題は、安倍、福田、麻生3内閣を苦しめている気がする。
景気回復を図り直接税である所得税、法人税の増収が見込めるのであれば、
消費税の早期増税を検討しなくてもいいのかもしれない。
しかし、少子化が急速に進み、派遣切り問題を始めとする雇用不安を
抱えている現状で、人数の少ない若年層が、圧倒的な人数を誇る団塊世代の
社会保障を抱えなければならないことが明確になっている現在では、
景気減退気の財源を直接税に頼ることの弊害が目立っていることも確かである。
目先の財源に拘りすぎる麻生氏と、選挙を意識して超短期の財源を赤字国債に
頼り、その返済原資を抜本的行政改革によって生み出そうとする鳩山氏の
議論はかみ合うはずがないのだが、人口減少による経済活力の低下も懸念され、
また、グローバル化された経済社会において、ブルーカラー労働の国際化を
考慮すると、労働者報酬の更なる低下が懸念されるだけに、
私としては、問題が明確化され、財政破綻に陥る前に、直接税に偏った
税制構造の見直しが必要ではないかと考えている。
それだけに、鳩山氏が小泉劇場開幕時と同様、消費税論議凍結を打ち出すのは、
いかがなものか、と思うのである。
あげるかどうかではない。
議論を深めた上で、景気回復後に消費税増税への対応になるのか、他の方策で
行くべきなのかを明確にすればいいのではないかと思うのである。
この点、まず増税ありきの麻生(与謝野?)政策にも問題があろう。
自民党内からも16日に経済財政諮問会議で示された「骨太の方針2009」の
原案に対して反発の声があるとの報道もある。
やはり、まず増税ありきではなく、増税シナリオも選択肢の1つとして、
現状のままでは消費税の増税は避けられないというのであれば、それを
避けるための選択肢を考えなければならないのではないだろうか。
党内からの反発の声に対しては、それなりの対案を示してもらいたいものだ。
知恵も出さずに、ただ「反対」では、かつてのどこかと同じではないか。
知恵を絞るために国会議員として国民に選ばれているんではないのですか?
それが鳩山案では抜本的な行政改革なんでしょうね。
難しい課題ではありますが、消費税増税に対する対案として示した以上、
政権奪取の暁には、官僚の抵抗がどれほど強くても、逆恨みを受けてでも、
死んでも実行する気概と実行力を見せて頂きたいものです。
間違っても、誰かのような敵前逃亡をされないことを祈ります。
それをやったら、せっかく実現の一歩手前まで進んできた政権交代可能な
野党が二度と生まれなくなる危険を生み、それこそ、日本の政治は
それで一党独裁への道を歩みかねませんので。