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寺崎 芳紀
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閲覧数順 2024年04月23日更新

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~医療ニーズへの対応~地域包括ケアシステムを推進するために②

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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。

今回は、地域包括ケアシステムを推進するために必要なこととして、医療ニーズへの対応をどうしていくのかという話を進めてまいります。


地域包括ケアシステムの考え方については、前回のコラムでお伝えいたしました。

この仕組みを進めていくために必要なことはたくさんあり、その中には医療ニーズへの対応が極めて重要です。


介護を必要とする方のほとんどは、何らかの医療的対応を必要とされている方です。

65歳未満のいわゆる第2号被保険者は、当然ながら特定疾病に該当することで介護認定を受けているので、全体的に見た場合には要介護者(要支援者)で何らかの医療対応を要する方が圧倒的に多い(ほぼすべて)と言ってよいでしょう。

しかし、医療行為の内容によっては、十分なサービスを利用できないケースがあるのです。


例えば、胃ろうを造設している方がいらっしゃるとします。

胃ろうとは、飲み込みの機能が低下してむせ込み、肺炎を頻発してしまうような方に対し、手術をして胃に穴をあけてそこから栄養を摂取するという医療行為です。

胃ろうによる栄養摂取を行うには、ご自身で管理することはまずできません(要介護高齢者ではまず不可能)。ですので、誰から管理します。

通常ならば同居のご家族等が対応するのですが、ご家族がご高齢であったり、そもそもご家族がいらっしゃらないといったケースですと、それも難しい。ですので、在宅生活をされているこのような方に対しては、例えば訪問看護師さんが訪問されて管理をしたりすることになります。


他方において、胃ろう対応をされている方は、要介護度の高い方が多い傾向があります。そういう方は、ほかにも援助が必要なケースが多いのです。例えば、入浴や排せつ、更衣解除等々・・・


このように、必要な援助量が増えていくと、在宅で生活するには様々な負担が生じてきて、いよいよ在宅生活の継続が困難になってくる。だから、施設や病院に頼ろうという話になる。


しかし、これが簡単にはいかないのです。


胃ろう対応が可能な施設を探そうにも、施設によっては人員体制が整っていないので受け入れを断ったり、受け入れ人数に制限を設けたりするケースが多い。

これは私が現場にいたときも、そして介護施設紹介サービスにてお客様からご相談を承っていた際にも、たくさん直面してきたことです。


これは胃ろうに限ったことではありません。在宅で暮らす要介護高齢者の中には、例えばインスリンや在宅酸素、尿道カテーテルといった対応が必要な方もたくさんいらっしゃいます。


このような医療行為は、本人またはご家族であれば対応可能です。

それ以外の方が行うには、法律による制限があります。基本的には、医師・看護師しかこのような行為を業として行うことは認められません。


在宅サービスでも、このような医療行為に対応することは十分可能です。

しかし、24時間の対応や、急変のリスクを抱える重篤なご利用者様に対し、在宅サービスですべてを賄うことは簡単ではありません。


それでも国は、極力入院患者を減らし、介護保険施設(特に特養)への入所を減らし、優先順位の高い方(中重度の方)へ利用していただくように方向付けしております。

それなのに、医療行為のある方への対応が、十分なされる供給体制になっていない。人材も圧倒的に足りていない。

これでは、国は方針だけ打ち出してあとは丸投げ、と言っているようにも聞こえてしまいます。そんなことはないと思いますが・・・


次回は、具体的な施策について述べさせていただきます。

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(東京都 / 経営コンサルタント)
株式会社アースソリューション 代表取締役

介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします

有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。

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