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スポーツ心理学に学ぶ ‐ チームワーク

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  1. 心と体・医療健康
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これまで「スポーツ心理学に学ぶ」とし、個人のパフォーマンスや動機づけを高める方法をご説明してまいりました。自分の身体や感情の状態を冷静に把握し、より良い認知や行動をとる、いわゆる認知行動療法と共通する方法でした。今回はシリーズの最後としてチームワークとリーダーシップについてご紹介いたしましょう。

野球やサッカーのような集団競技はもちろんのこと、水泳やマラソンのような個人競技も選手を支えるコーチやトレーナーを含めたチームが求められます。ある程度までは一人でも戦えるかもしれませんが、一流を目指すならば種々のトレーニングや栄養の管理、そして心理的な支援などが必要になります。また個人競技でも団体戦の場合は一人の勝敗ではなく、チーム全体の勝敗が問われます。一人二人のスター選手に頼るのではなく、チーム全員、サポーターも含めた皆の力で戦う姿勢が大事です。さらに当日の試合のみならず、普段の練習やトレーニング、時には合宿を行って生活を共にし、皆で切磋琢磨して向上していく姿勢がチームの勝利につながるのです。

チームとは目標や課題を有した二人以上の集団です(画像1をクリックすると拡大します)。目指すべき目標や課題があるという点で、グループやサークルとは異なります。グループやサークルは仲良くすることや楽しむことを目的としますが、チームは何らかの目標や課題を達成することを目的とします。従って、厳しさや激しさを伴います。一人で黙々と行うわけではありませんから、チームの内外で怒りや憎しみが生じることもあります。しかし、それらをできる限り穏便に解決し、目標へ到達して得られる充実感や一体感は格別のものでしょう。選手たちが汗や涙を流した末に抱き合って喜ぶ姿は、まさにチーム・スポーツならではの感動的な光景ですね。

皆が一致団結し、一つの目標に取り組むためには、お互いの信頼と協力が不可欠です。メンバーがお互い信じ合い、多少の無理をしてでも相手のために尽すような姿勢が求められます。ラグビーの”One for all, all for One”の精神です。そのためにはメンバー同士が適切なコミュニケーションを交わし、十分な意思疎通を図る必要があります。相手の気持ちや意見を積極的に傾聴し、自分の気持ちや意見を穏やかに伝えましょう。「胸襟を開く」、自己開示・自己主張のスキルです。さらに、言葉のみならず、表情や服装、姿勢や態度など非言語的なコミュニケーションも言葉以上に重要視しましょう。「目は口ほどにものを言う」というように、口に出さなくても視線や表情だけで伝わることもありますし、言葉に表情や動作を加えることでより良く伝わります。

チームにはリーダーが欠かせません(画像2をクリックすると拡大します)。グループやサークルにも幹事や世話人が求められますが、チームほどの統率力は求められないでしょう。目標に向かって集団を導くためには、それなりのエネルギーとスキルを要します。と言いましても、「専制型」になってはいけません。危機的な状況において一時的に必要かもしれませんが、いわゆるカリスマが長く君臨するとメンバーは依存や退行を生じ、自律性を失います。または不平や不満が生じ、チームの和が乱れます。逆に「放任型」の場合、好調な時は良いのですが、次第に能率や業績が低下します。従って、皆が友好的に助け合い、意欲的に取り組む「民主型」が理想的です。リーダーはそれを必要最小限に援助することで、個々人の自律的な行動や成長を促し、全体として大きな発展をもたらすのです。具体的にはメンバーの様子を注意深く見守り、困ったことがあれば本人の自助 Self help 能力を高めるように指導しましょう。一方的・高圧的に指導したり、放置・無視したりすることなく、次から本人が自分で処理できるように Empowerment しましょう。またリーダーとメンバーとの関係に終始するのではなく、メンバー同士の関係も広がるように関与しましょう。リーダーは触媒として次々と新たな化学反応を起こすようなチームの Facilitator として活躍するのです。

「結果は使った監督の責任。選手には結果を恐れず、自信を持ってプレーさせることが大事なんだ」(埼玉西武ライオンズ、渡辺久信監督)


以上、チームワークおよびリーダーシップについてご説明いたしました。一人ではとても無理な課題や目標でも、皆で力を合わせれば容易にでき、予想以上の結果をもたらします。1+1=2ではなく、3にも4にもなるところがチームの魅力であり、喜びであります。それにはメンバーのチームワークと、メンバーを高めていくリーダーシップが望まれます。これらをスポーツに見習い、日々の仕事や生活をより一層、高めてまいりましょう。

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