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スポーツ心理学に学ぶ ‐ 実力を発揮する

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スポーツ心理学

一流選手だからといって、いつでもスーパー・プレーをしているわけではありません。練習の時は半分位の力で調整していますし、本番で緊張して思うようにプレーできないこともあります。しかし「ここぞ」という場面で、持ちうる実力を100%発揮できるのが本当に一流と言われる選手のゆえんでしょう。ベストな状態で行うプレーを「ピーク・パフォーマンス」と呼びます。この時にはプレーに全神経を集中しながらも、心身はリラックスしており、思い通りのプレーができます。不安も力みもなく、自然で無理のないプレーができるのです。いわゆる「フロー状態」や「無我の境地」といわれる心理はこの状態を説明したものです。

ピーク・パフォーマンスに至るためには、図1(クリニックすると拡大します)のように「覚醒水準」が高すぎず低すぎず、適度の状態に設定することが必要です。覚醒水準とは心理的・生理的な活性度を示した言葉です。右側の高い状態では不安・緊張、動悸や発汗・口渇を認めます。左側の低い状態では抑鬱気分・意欲低下、疲労・倦怠感を認めます。自律神経の働きで言うと、右側は交感神経が活性している状態、左側は副交感神経が作動している状態となります。従って、どちらの状態にあるのか的確に判断し、心身を至適な状態になるよう調整することが必要です。

覚醒水準が高すぎる時は「リラクセーション・テクニック」が必要です(図2)。まずは自分の不安や緊張、動悸や発汗を認めましょう。自分が「上がっている」と自覚し、平常心を取り戻すために、心身をリラックスさせます。最も簡便で効果的な行為が''「腹式呼吸」''です。ゆっくりと深呼吸し、特に呼気(吐き出し)を意識しましょう。するとそれに連動して脈拍もゆっくりとなり、動悸も収まります。スペースがあれば、椅子に深く座ったり、床に寝そべったりして、''「筋弛緩法」''を試しましょう。手足、指先の力を抜き、全身が椅子や床に吸い込まれていくようなイメージを頭の中に浮かべます。ぬるま湯にゆっくりつかっている姿を思い浮かべても良いでしょう。いずれしても、自分が最もくつろいでいる状態を思い出し、それに近づけていくことがポイントです。

逆に覚醒水準が低く、やる気がない、覇気がないような時には「アクチベーション・テクニック」が必要です。まずは抑鬱気分・意欲低下、疲労・倦怠感が生じていることを認めましょう(これはいわゆる「鬱病」のような長期間続く、病的な状態ではなく、試合や練習前の一過性の状態を意味しております)。この低活性状態に対しては、リラクセーション・テクニックと逆の行動をとります。すなわち、早く短い呼吸''「過呼吸」''を行い、立ち上り、動き回ります。軽く汗ばみ、息が上がるくらいが良いでしょう。周りに人がいなければ、大声を出したり、顔を叩いてみたりすることも効果的です。関取や格闘家が戦い前に顔や体を叩き、「気合を入れている姿」と言えば分かりやすいでしょう。周りに人がいて迷惑がかかりそうな時には、頭の中で勝利や成功した時のイメージを想像したり、自分を励ますような独り言をしたりもよいでしょう。

独り言「セルフトーク」は試合中にも有効で、意欲や集中力を高めるために用いる一方、高ぶりすぎた意識や行動を鎮静させるためのリラクセーション・テクニックとしても使えます。自分の精神状態や周囲の状況を客観的に把握し、冷静かつ情熱的に行動するのです。更に、時間や場所があれば、言葉を文字に変換し、ノートや手帳に書きとめ、繰り返し読み直し、潜在意識に刷り込むことも有効です。これらは精神科の治療における認知行動療法と同じ方法論で、その時々の具合や状態に応じて使い分けましょう。以上、情動のコントロール方法をご紹介いたしました。

「どっちにしろヒットのことは頭から離れないけど、でも試合以外の時はいつも通りを大切にする。僕の場合であれば、誰かと一緒に食事をするとか、ゆっくり寝るとか、そういういつも通りのことをすることで、リラックスできるし、それが試合の集中力につながるのです」イチロー哲学より

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