概念としてはキャッシュアウト(cash out)とかエクイティアウト(equity out)と言っている様です。
これは日本では初めての商品です。ただ、リテールバンキングを開始してまだ3か月程度しか経っていないので業務がスムーズに流れるかどうかは不明な所があります。(商品の説明書もまだ英語でしか出来ていませんし、スタッフは日本人が居ても意志決定者がオーストラリア人をはじめとした外国人で、英語でのサポートが一部必要になるでしょう。)ただ、このローンが使えるのは自己資金は無いが残債が減少した不動産を持っている人、もしくは非常に割安な含み益のたっぷりある不動産を持っている人を対象にします。海外ではポピュラーなローンですが残債が減少したり含み益が多い不動産に対して独自に審査をしてその評価額に応じた金額をローンします。但し、現在の商品設計上では1500万を下限にしている様です。(フルローンに近くないと物件を買えない人等自己資金の補てんに利用出来るかもしれません。)
このローンを利用して自己資金として事前に手元に持っておけば、良い物件が出た場合にその物件購入資金に一部をあてる事が出来ます。ただ、注意しなければならないのが不動産売買における際に借りる銀行の審査上で残債があるのでマイナスにとらえられる可能性がある事です。(信用調査を行えば物件購入前に自宅等を担保に借り換えを行ったという履歴が出ますので)これはこれからやってみなければ分からないところではありますが、自宅以外で初めての物件購入をされる場合には厳しく見られる可能性もありますが、何物件かお持ちであり金融機関と関係が出来ていれば通る可能性があると思います。
例)5年前8000万円の自宅を購入した。
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その時はローンを6000万借りた。
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現在は期限前返済を早くした為に残債がゼロになっている。
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その為、手元の現金が500万しかない。
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これでは現在の様な不動産や株式の下落したチャンスを生かせない。
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そこでこの銀行のローンを組んで自宅を担保に再度ローンを4000万組んだ。
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この4000万を利用してその一部を、1億円の1棟物マンションの購入の際の自己資金として2000万入れて、諸経費の約600万もここから出した。
この様なシナリオが描けます。ただ、共同担保を提供しても同じような効果が得られる場合もありますが、現在のような不動産価格の下落基調の時には銀行は担保を取るよりも「その銀行」が出すローンの金額を抑えたいというニーズがあります。その為共同担保を提供するという話よりも不動産ローンを出す銀行に取っては考え易い話かもしれません。これは各銀行の審査まで通してみないと分からないところではあります。残債の少ない不動産を持っているが、自己資金の無い方は一度ご相談ください。http://www.minato-am.com/
このコラムの執筆専門家
- 向井 啓和
- (東京都 / 不動産業)
- みなとアセットマネジメント株式会社
みなとアセットマネジメントの向井啓和 不動産投資のプロ
東京圏の資産価値が下がりにくい高収益物件の一棟買いなら弊社にお任せください。資金計画から損害保険まで一貫した不動産投資アドバイスを行います。また、金融機関出身の向井啓和の経験を活かし銀行からの投資用ローン融資提供します。フルローン相談
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