- 廣瀬 孝一
- Powerful Management 代表
- 沖縄県
- 人財育成/セールストレーナー/プロコーチ
私達は、対人関係に於いて壁を感じることがあります。
特に上下の関係に於いては、上司の言うことには反論しにくいムードもあります。
反論したいのに言えないということは、ストレスの原因になるかもしれません。
上下関係の間には、「思った自分の意見が言えない」という壁が在りそうです。
しかし、そんな壁も一瞬で消えることがあります。
相手の想いを知った時や違う一面を認識した時です。
例えば、どうも苦手なんだよなぁと感じている上司が居るとします。
ところが上司のこんな想いを知ったら、印象はどう変わるでしょうか?
「精神的に打たれ強い人になってほしい。何故なら責任者になればプレッシャーも大きく感じるかもしれないし、経営幹部に自分の意見を伝えなければならないことも増えるだろう。」
「私には、部下とその家族の未来を豊かにする使命を持っている。将来のリーダーとして力強く組織を引っ張る人財になってほしい。」
また、違う一面を知ると印象はどう変わるでしょうか。
普段おとなしいと感じている方が、地域のスポーツクラブの監督だった。
人としての感情が欠落しているんじゃなのと感じる人が、休日に障がい者へのボランティア活動をしていた。
私達は、数えきれないほどの一面を持っていると思います。
特定の一面だけを見て、勝手なイメージで捉えていることがあります。
捉え方は人それぞれです。
部下の立場で「指導の仕方が悪い」と、リーダーに対してレッテルを貼ってしまうことがあります。
レッテルを貼ると、そのレッテルに合わせた関わり方になります。
原因を自分以外に探したり、問題の本質とは違う部分に話題をすり替えてしまうこともあります。
その人を知らないから、その人との間に壁を感じるのです。
先日、組織力アップやチームビルディングの視点で企業研修を行いました。
企業研修や講演では、「他人を知る」ための様々な仕掛けを入れています。
その結果、実施中や終了時の感想で、「あんなことも普通に出来るんだ」と他人に対して初めて認識しましたという意見が出ます。
また、「そんなことを想っていたのかということが分かった時点で、印象が変わりました」や、「フィードバックしてもらって、自分をそんな風に見てくれていた」 「自分がそんな印象を与えていたということが分かりました」という意見なども出ます。
他人を知り、フィードバックし合うシーンが増えるほど、笑顔も増えていきます。
意外な一面や本人にとっては当たり前に持っているスキルを、日常業務では発揮していなかったり、発揮していても周囲が認識していないこともあります。
「意外」に思うということは、正しく認識していなかった。つまり、レッテルを貼っていたかもしれませんね。
知らないから感じる壁や知るから消える壁は、自分自身が勝手に作り出したものだと認識しましょう。
組織力アップは、組織メンバーの人物像、思考、想いや価値観を知ることからスタートするほうが好ましいと言えます。
このコラムに類似したコラム
「パワハラ“的な”研修」には価値がないと思う理由 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/03/22 22:14)
研修アクティビティの留意点【研修デザイン】 中村 泰彦 - 研修講師(2012/01/09 10:35)
ギスギスして思考停止した職場が、12週間でガラリと変わる 門田 由貴子 - 経営コンサルタント(2010/06/02 07:08)