- 小川 正之
- マネーアドバイザーズトウキョウ株式会社 COO(最高執行責任者)
- 東京都
- ファイナンシャルアドバイザー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
住宅ローンについての基本的な解説です。
お役立ていただければ幸いです。
返済方法
●元利均等返済
・毎月の返済額(元金+利息)が一定で、返済計画が立てやすい。
※ただし、変動金利型では5年毎の元金残高と金利見直しにより返済額は変わる。
・元金の減少が遅く、返済が進むにつれて元金分の比率が高くなる。
・同じ返済期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。
●元金均等返済
・毎月の返済額(元金+利息)は返済が進むにつれて少なくなっていく。
・当初の返済額は多く、元金の減少が早い。
・同じ返済期間の場合、元利均等返済よりも総返済額が少なくなる。
★総返済額(少なさ): 元利金等返済 < 元金均等返済
★資金計画の立てやすさ: 元利金等返済 > 元金均等返済
金利プラン
●固定金利型(超長期固定金利型、全期間固定型、フラット35など)
・契約時点で、借入期間中(全期間)の金利が固定される。
・将来の返済内容が確定しているので、資金計画が立てやすい。
・返済中に金利情勢が高金利となっても返済額に影響がない。
・金利が高い時期にローンを組むと、その後低金利になっても高いままの金利を負担することになる。
・一般的に、変動金利タイプよりも金利が高めに設定されている。
●固定金利選択型(固定金利特約型、当初5年固定・10年固定など)
・一定期間の金利が固定される(固定金利期間は複数の選択肢の中から選ぶことができる)。
・固定金利期間が終了した際には、あらためて固定金利期間を設定するか、変動金利型となる。
※変動金利型となった後で固定金利期間を選択することも可能。
・固定金利期間終了後、金利が上昇していた際には返済額が増える。
・固定金利期間終了後の返済計画が立てにくい。
●変動金利型
・金利の見直しは半年毎(年2回)行われるが、返済額は5年間変わらない。
※元金と利息の内訳が調整・変更され、5年後の返済額更新後の返済額に反映される。
※新返済額は旧返済額の1.25倍が上限となっている。
・返済中の金利変動により返済額が増減する為、返済計画が立てにくい。
・半年毎の金利変動幅は無制限。金利が大幅に上昇すると元本が減らず未払利息まで発生する可能性もある。
・固定金利よりも金利が低い為、短期間で返済する際には適している。
・固定金利選択型に変更(固定金利期間を設定)は随時可能。インターネットで手続きをすると手数料無料としている金融機関も多い。
★当初の金利(低さ): 全期間固定金利 < 一定期間固定金利 < 変動金利
★金利変動リスク(低さ): 全期間固定金利 > 一定期間固定金利 > 変動金利
★資金計画の立てやすさ: 全期間固定金利 > 一定期間固定金利 > 変動金利
保証料
●保証料外枠方式
・契約時(借入時)に一括払い。
・一般的に、繰上返済を行わない(同じ返済期間)場合は外枠方式の方が金額は少ない。
●保証料内枠方式
・住宅ローン金利に0.2%上乗せ。
・返済期間が短かったり(繰上返済をしたり)、早期に他行に借り換えをした際には、内枠方式の方が金額が少なくなることもある。
夫婦で収入合算
※下記、夫と妻は逆の場合もあります。
●連帯保証
夫が債務者、妻は連帯保証人。夫が返済不能になった場合にのみ、妻が返済。
団体信用生命保険と住宅ローン控除は夫のみ。
●連帯債務
夫が主債務者、妻は連帯債務者。夫婦が連名で住宅ローンの借主。
割合(物件の持分割合)に応じて、夫婦ともに住宅ローン控除の対象。
団体信用生命保険は一般的には夫(主債務者)のみ。
●ペアローン
夫婦が別々に住宅ローンを借入し、夫婦がお互いの連帯保証人。
一方が返済不能になったら連帯保証人が返済。
団体信用生命保険と住宅ローン控除は、それぞれの借入金額で夫婦とも適用。
同じ金融機関で住宅ローンを2本組むことになるので、事務手数料は2倍(2件分)。
★万一のことがあったら…
・連帯保証 : 夫に万一のことがあった場合は団信で全額返済。妻に万一のことがあった場合は変わらず(今後も返済していく)。
・連帯債務 : 夫(主債務者)に万一のことがあった場合は団信で全額返済。妻に万一のことがあった場合は変わらず(今後も返済していく)。
・ペアローン : 亡くなった名義分(一方)のみ団信で全額返済で、もう一方のローンは変わらず(今後も返済していく)。
団体信用生命保険(団信)
・被保険者(原則、主債務者)が死亡または所定の高度障害状態となった場合に、その保険金で住宅ローンを返済。
・契約者は金融機関(銀行)で、原則付保。任意の場合もあり(フラット35など)。
・団信に加入しない場合は、民間保険で死亡保障を備えるのが望ましい。
・働けなくなった場合(就業不能時)は保障の対象外。
・金融機関によっては、「3大疾病特約」や「連生団体信用生命保険付き住宅ローン(クロスサポート)」という選択肢もある。
・「連生団体信用生命保険付き住宅ローン」は、連帯債務者にも保障を付けることで夫婦どちらかに万一があった際に全額返済できる。
・健康告知がある。健康状態での引受け範囲を緩和した「ワイド団信」もある。
一部繰上返済
●期間短縮型
・毎月の返済額は変えずに、返済期間(残存期間)を短縮する。
・短縮された期間に支払う予定だった利息が軽減される。
・同額の繰上返済をした時の利息軽減効果は、返済額軽減型よりも大きい。
●返済額軽減型
・返済期間は変えずに、毎月の返済額を引き下げる。
・教育資金がかかる、妻が退職した、などで月々の返済の負担が大きくなった際に、家計を安定させるのに効果的。
・同額の繰上返済をした時の利息軽減効果は、期間短縮型よりも小さい。
★利息軽減効果: 期間短縮型 > 返済額軽減型
☆一部繰上返済は、インターネットで手続きをすると手数料無料としている金融機関も多い。全額繰上返済は、インターネットでの手続きが出来ず、店頭での手続きで手数料もかかる場合が多い。その為、インターネットで残高1円を残して一部繰上返済をすると、その後に自然完済となり、余計な手数料がかからない、というウラ技もある。
借り換え
他行に借り換える際には、借り換えにかかる諸費用に注意が必要。
借り換えにかかる諸費用と、借り換えることでの支払利息の軽減額を比較して、メリットがあるかどうか判断する。
一般的には、「残期間10年、残金額1,000万円、金利差1%」が目安だと言われている。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
父母や祖父母などの直系尊属から、自己の居住の用に供する住宅の新築若しくは 取得又は増改築等の為の金銭を贈与により取得した場合において、一定の金額までの贈与につき贈与税が非課税となる制度。
契約年及び住宅によって非課税限度額は下記の通り。(優良住宅は、耐震・省エネ・バリアフリーの基準を満たした住宅。)
●非課税限度額(消費税率8%で住宅を取得、または個人間売買により中古住宅を取得)
・~平成27年12月: 1,000万円(優良住宅1,500万円)
・平成28年1月~平成29年9月: 700万円(優良住宅1,200万円)
・平成29年10月~平成30年9月: 500万円(優良住宅1,000万円)
・平成30年10月~平成31年6月: 300万円(優良住宅800万円)
●非課税限度額(消費税率10%で住宅を取得)
・平成28年10月~平成29年9月: 2,500万円(優良住宅3,000万円)
・平成29年10月~平成30年9月: 1000万円(優良住宅1,500万円)
・平成30年10月~平成31年6月: 700万円(優良住宅1,200万円)
★受贈者の要件
・国内居住、贈与者の直系卑属、20歳以上(贈与年の1月1日)、合計所得金額2,000万円以下(贈与年)。
・贈与年の翌年の3月15日までに住宅取得資金の全額を充てて住宅を取得(または増改築)し居住すること。
★家屋の要件
・床面積50㎡以上240㎡以下(2分の1以上が受贈者の居住の用に供される) など
住宅ローン減税制度(住宅ローン控除)
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを利用して住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図る為の制度。平成26年4月からの消費税率の引き上げにあわせて大幅に拡充された。
毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除される。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除される。
住宅ローンを借入れる者が個人単位で申請する。世帯単位ではないことに注意。
★平成26年4月~平成31年6月の住宅ローン減税制度
・最大控除額: 400万円(40万円×10年間)
※認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)は500万円(50万円×10年間)
・控除率: 1%
・控除期間: 10年
・主な条件: 床面積が50㎡以上、借入金の償還期間が10年以上、合計所得金額3,000万円以下 など
人生で1番大きな買い物
住宅資金は、教育資金・老後資金とともに「人生の3大資金」と言われています。
また、住宅購入(マイホーム購入)は「人生で1番大きな買い物」と言われています。
住宅以外の資金計画も含めたライフプランを確りと立てることが大切です。
弊社では、ご家族それぞれの夢や目標やお考えに合わせたライフプランニングを提供しております。
ご質問やご相談等がございましたら、お気軽にお申し付けください。
http://www.money-advisers-tokyo.com/
※上記内容は、金融機関によって異なる点もありますので、ご確認ください。また、税制等の制度は今後改正される可能性もありますのでご注意ください。
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