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山中 伸枝
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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国債の利子を支払うことが出来なくなったら

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前々回のコラムで、平成26年度予算の国債利払い等は10兆1,319億円で、歳出予算の10.6%を占めているとお伝えしました。この利払い費が増加して国債の利子が滞ることになれば、前回説明した通り、国債のデフォルトの要件に当てはまります。
多くの国債ウォッチャーが心配しているのが本件です。

まず、利子が払えなくなる可能性について検討いたします。
利払いが発生するのは、すでに発行している国債です。この既存債は償還までは、現在の利子で支払えばよいので、当面は利払い増加の対象にはなりません。従って個人向け国債10年変動など、利子がインフレ率によって変動するものですが、発行量が少ないので、これも利払いが出来なくなるわけではありません。

では、どの国債の利子率が上がるのかというと、新規に発行する国債と借換債です。
インフレ率や日本国の財政に不安が高まりますと、新しく発行する国債の利率を挙げる=額面を下げなければ、買い手が居なくなります。そのために、国債の利率が上がります。

では、1年間で発行される国債の新規発行と借換債のどの位なのかを示すのが下図です。
平成26年度の計画では、181兆5,000億円です。借換債だけで、121兆1,000億円もあります。発行額の約67.3%を占めています。(財務省平成26年度国債管理政策の概要より)

140508国債の発行総額の推移


ところで、既に発行されている国債等の償還期限はどのようになっているのかを示すのが下図です。財務省も金利リスクを勘案し、発行する国債の年限を徐々に長期化しているのが分かります。

140508カレンダーベースの市中発行国債の平均償還期限


計算を簡単にするために、全ての国債をこの年限として、現在の9年物金利(2014.05.08)0.52%をベースに、金利が上昇すると、どの程度の利子が必要になるかを掲載します。
もし、現状に1%上乗せしなければ、買い手が無いとすると、
181兆5,000億円×1%ですので1兆8,150億円の利子が増加します。
償還年限が、8.5ヶ月ですので、償還を終えるまでに支払う額は、現在よりも15兆2,762億円増加します。
2%では単年度で3兆6,300億円増、累計で30兆5,525億円。
3%では、単年度で5兆4,450億円、累計で45兆8,288億円にもなります。
でも単年度で約5.5兆円ですので、消費税が1%2兆円の増税効果ですから、約3%分で賄える数字です。利払いが出来ないというレベルではありません。

ただし、5%上昇すると9兆750億円増となり、消費税で賄うのであれば5%増税することになり増税する消費税が全て利払いに消えてしまうということになります。

このように金利が上昇した際の悪影響は実は利払いではなく、時価会計のルールにあります。現時点の保有者の大半は、下図にありますように、金融機関です。

140508国債及び短期政府証券の所有者区分

ご承知の通り、金融機関は時価会計基準で運営されています。従って、保有する金融資産の内、国債の価値を減じなければなりません。この場合、当該国債の利回りが高くなりますから、額面価格は下がります。
大手銀行は前出の償還年限よりも、短期化しています。生命保険等は、販売した保険の年限に合わせて、保有できるので銀行よりも長い期間の国債を保有しています。

もし、現在保有する国債が181.5兆円で、償還年限が8年5ヶ月であったならば、
単利で1%利子率が上昇するだけで、おおよそ15兆円(約8.3%含み損)の損失が出てしまいます。
なお、政府は緊急に政令で、満期まで保有する場合には、時価でなく額面で評価してよい等々の手段を講じると考えます。
個人が所有する国債は時価会計で評価しませんので、満期まで待てば、額面で返済されます。ただし、物価が上昇していますので、価値は減価します。
例えば、毎年1%の上昇であれば、10年後の価値は、現在の価値として9,0579円ですが、毎年5%の物価上昇であれば、10年で物価は162.9%に上昇します
額面の10,000円の価値は現在の価値で6,134円になってしまいます。

また、市中金利は上がりますと、庶民が持つ住宅ローンの内、変動金利のものは、利息分の返済額が急増します。そのような混乱が起きるいたるところで起きます。

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