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自死遺族の手記3 ~弟を自死で亡くしたNさん~

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自死遺族の手記 弟を自死でなくしたNさん

Nさんの手記、3回目です。
弟さんの知らせを受けて、実家に帰ってから弟さんに対面するまでの心情です。
7か月経った時期に綴られたものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私が実家に行ってから小一時間してから父親が帰宅した。
久しぶりに家族で食卓に座った。
とにかく、この夜の事は明確に覚えている。

母親以外の全員は現実を受け入れられなくて、不思議と、笑い話も混じったり、時には弟に対し怒り出したり、
とにかく精神的には不安定だった。

誰が何を想い、誰が何を考えているのか誰にも分からない。

ただ、ひとつだけ全員が分かっていた事は、これから「弟が居なくなった」という現実という試練が待ち構え、そして、全員で協力して乗越えなければならなくなるという恐怖だった。

弟に会いたくとも検視があるので会えない。
早くとも明日の晩、又は明後日ということだった。
弟が今、寒い中、警察署の中で一人で居る事を思うと、今すぐにでも助けに行ってやりたかった。

その日の夜は、軽いものを食べながら家族全員が、知り合いや、友達、親戚と次々と電話をし、また、かかってきたりして隣の部屋に向かい、泣き声が聞こえるという事を深夜まで繰り返していた。

「もう疲れたから寝るか!」
私が声をかけると誰かが、その声を上げるのを待っていたかのように一人、そして一人と、寝室へ入っていく。

みんな、眠いんじゃない。
ただ、一人になりたかったんだと思う。
一人になって、自分の心の整理をし、これから訪れるであろう恐怖と、悲しみ、絶望
それに対処する心作りをしていたんだと思う。

私も、ずっと考え、悩み、同じ状況の悲しみを抱えた方のブログを携帯で読み漁り、
同感し、私だけじゃないんだ。と心を落ちつかせ、そして・・・
寝ないまま朝を迎えた。

自殺の翌日、ほとんど寝る事がなかったが、数十分だけ眠りについたと思う。
そして、目が覚めた。


目が覚めたとたん、夢であってほしいと、5秒くらい考えた。

あたりを見回すと、自宅ではなく実家だった。
「あぁ・・現実だったんだ・・・」と
弟が死んだ事を受け入れ、走馬灯のように思い出す。

すぐシャワーを浴び、遺体確認にいくため警察に電話をする。
警察からの返答は「自殺を担当した警察が本日急用で出てしまったので、詳しい話を聞きたいのならば、翌日にしてほしい」という事だった。

弟が寂しがっていると思ったので、一分でも早く迎えに行きたかったが、
家族会議の結果、弟のお迎えは、翌日に行く事にし、今日は、葬儀場を探しに行く事になった。

もともと、両親は葬儀関係の仕事をしているので、すぐ良い葬儀場が見つかった。
「子供の為にと、働いていたのに、こういう意味で役に立つとは、とても悲しい」
と両親が語っていた。


葬儀の準備が終わり、その日も結局、弟に会えないまま次の日を迎えた(3日目)。

朝、警察に連絡を入れたところ、今日なら大丈夫という事が分かった。
早速、両親と私と親戚の5人で行く事になった。

弟が自殺した場所は、家から2時間ほど離れた森の中だ。
その、森の最寄の警察署にいるということなので、一旦、自殺した場所に行って見ることにした。

GPSの場所は聞いていたものの、地図を見てもどこだか分からない。
「何でこんな場所で・・・」
何故この場所を選んだかわからないまま、カーナビに入力し、その現場へ向かった。

田舎道なので、弟はその場所に向かう時、必ず同じ場所を通ったはずだ。
一体、バイクを運転しながら、何を思っていたのか。
二度と戻る事のない、この道を、泣きながら走っていたのか。
今日で、自分の人生が幕を閉じてしまう事を分かっていたのか。
きっと最後には、また助かるかもしれない。と思っていたのか。
色々な事を考えながら、現地へ向かった。


現地に近づくにつれ、ふと思った。

ここは・・もしかして・・

記憶が蘇った。

そう・・この場所は数年前、私の彼女と、弟と弟の彼女と4人で
ドライブに行ったときに、4人でバーベキューをした場所だった。

弟は、いつも
「あの時に戻りたい。」
「あの時が一番よかった。」
と何度も言っていた。

その思い出の場所で、人生の最後を迎えたのだった。

あまりにもショックで私はその場に立ち竦んだ。

弟は、その時に戻れたのだろうか。
今は、理想の地に居るのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私のブログにて、弟さんのご遺体と対面された際の記事を掲載しました。
もしここで読むのが辛い方は読むことをやめてください。
読むことで昇華できるときもあれば、逆に傷が深くなるときもあるので。
ブログ→http://ameblo.jp/r-kohinata/entry-11772044154.html

 

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(東京都 / 心理カウンセラー)
フィールマインド 代表カウンセラー

感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

正社員をしながらボランティアの電話相談員をしていました。「どんな電話も切らない」理念の中で恋愛、自死、癖、愚痴、色々な話を聴かせて頂きました。資格取得後はハラスメント相談員を経て現職。相談件数は2200件を超えます。悩みに大小はありません。

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