国税の争訟に対する不服申立前置主義 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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国税の争訟に対する不服申立前置主義

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国税に対する不服申立前置主義

国税通則法75条3項

(国税に関する処分についての不服申立て)

第75条 国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に掲げる不服申立てをすることができる。

 税務署長がした処分(次項に規定する処分を除く。) その処分をした税務署長に対する異議申立て

 国税局長がした処分 次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て

 その処分をした国税局長に対する異議申立て

 国税不服審判所長に対する審査請求

 国税庁長官がした処分 国税庁長官に対する異議申立て

 税関長がした処分 その処分をした税関長に対する異議申立て

 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分 国税不服審判所長に対する審査請求

 国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によってされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に掲げる行政機関の長がその処分をしたものとみなして、当該行政機関の長に対して異議申立てをすることができる。

 国税局の当該職員 その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長

 国税庁の当該職員 国税庁長官

 第1項第1号(税務署長がした処分)、第2号イ(国税局長がした処分に対する審査請求)若しくは第4号(税関長がした処分に対する異議申立て)又は前項第1号の規定による異議申立て(法定の異議申立期間経過後にされたものその他その申立てが適法にされていないものを除く。第五項において同じ。)についての決定があった場合において、当該異議申立てをした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

 第1項第1号若しくは第4号又は第2項第1号の規定により異議申立てをすることができる者は、次の各号の一に該当するときは、その選択により、異議申立てをしないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

 所得税法 若しくは法人税法 に規定する青色申告書又は同法第条第 (青色申告書等に係る更正)に規定する連結確定申告書等に係る更正(その更正に係る国税を基礎として課される加算税の賦課決定を含む。)に不服があるとき。

 その処分をした者が、その処分につき異議申立てをすることができる旨の行政不服審査法 の規定による教示をしなかったとき。

 その他異議申立てをしないで審査請求をすることにつき正当な理由があるとき。

 第1項第1号、第2号イ若しくは第4号又は第2項第1号の規定による異議申立てをしている者は、異議申立てをした日の翌日から起算して3月を経過しても異議申立てについての決定がないときは、当該異議申立てに係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

 国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第1項の規定を適用する。

 

国税通則法115条

(不服申立ての前置等)

第115条 国税に関する法律に基づく処分(第80条第2項(行政不服審査法 との関係)に規定する処分を除く。以下この節において同じ。)で不服申立てをすることができるものの取消しを求める訴えは、異議申立てをすることができる処分(審査請求をすることもできるもの(異議申立てについての決定を経た後審査請求をすることができるものを含む。)を除く。)にあっては異議申立てについての決定を、審査請求をすることができる処分にあっては審査請求についての裁決をそれぞれ経た後でなければ、提起することができない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。

 異議申立て(国税庁長官に対してされたものに限る。)又は審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても決定又は裁決がないとき。

 更正決定等の取消しを求める訴えを提起した者が、その訴訟の係属している間に当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等についてされた他の更正決定等の取消しを求めようとするとき。

 異議申立てについての決定又は審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき、その他その決定又は裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

 国税に関する法律に基づく処分についてされた異議申立て又は審査請求について決定又は裁決をした者は、その決定又は裁決をした時にその処分についての訴訟が係属している場合には、その異議決定書又は裁決書の謄本をその訴訟が係属している裁判所に送付するものとする。

 

最高裁昭和571221

青色申告書提出承認の取消処分と同時に又はこれに引き続いて更正処分がされた場合に、たまたま右二つの処分の基礎とされた事実関係の全部又は一部が共通であって、これに対する納税者の不服の事由も同一であるとみられるようなときでも、更正処分に対し適法に不服申立てを経たからといって、それだけでは当然に、青色申告書提出承認の取消処分に対する取消訴訟の提起につき不服申立ての前置を不要と解することはできず、また、同処分に対する不服申立てを経ないことにつき旧国税通則法(昭和四五年改正前のもの)87条1項4号(現在の国税通則法115条1項3号)にいう「正当な理由」があると解することもできない。

 

最高裁昭和590628

欠損金の繰戻しによる前年度の法人税の還付請求を理由がないとする通知処分に対し取消の訴えを提起するためには、右通知処分と同時に同一の理由によりされた当該欠損金額を減額する更正処分に対し不服申立を経由している場合であっても、右通知処分に対する不服申立を経由することが必要である。

 

最高裁平成18・1・19

1 国税徴収法39条所定の第2次納税義務者は,本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることができる。
2 国税徴収法39条所定の第2次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合における同法77条1項所定の不服申立期間の起算日は,当該第2次納税義務者に対する納付告知がされた日の翌日である。

 

 

 

 

 

 

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