マンションに住んでいるのですが、エントランスとかで他の住民に出会った時、あいさつをするのですが、まったく無視されてしまう事がよくあります。

まるでこっちが透明人間になってしまったかのようで、なんだかなぁと少し残念で悲しくなります。

「対人恐怖症」という心の病があります。そうなる原因は様々でしょうが、他人と接するのが怖く感じるので、文字通り人と対面することを避けようとしてしまう傾向が強くなり、日常生活に支障が出たり、「これではいけない」と思い悩んでしまう症状です。

アメリカの精神疾患分類マニュアルによれば、対人恐怖所の欄には、ただし書きとして「日本人の90％以上は、この症状に当てはまるので、もはや日本人はアメリカ人が捉えている様な病気とはみなさない」と言う様な意味の事が書かれています。

昔からある商店街が潰れ、スーパーやコンビニがこれだけ出来ているのも、お客さんがお店の人と話さなくて済むから楽、ということがあるそうです。

確かに私も見ず知らずの人に気軽に声をかけられる方ではありません。迷惑そうな顔をされたり、やはり無視されてしまうのではないかと怖く思うからです。

でもその割に、たまに街でいきなり話し掛けられる事も少なくありません。もちろんキャッチセールスなどではありません。

ユザワヤで趣味のクラフトの材料など物色していると、唐突に「何作んの？」なんて大人の男性に声をかけられて、「こんなん作りたいんだけど」としばらく立ち話になったりします。大抵はちょっと面喰って、「じゃあ」とそれで別れてしまうのですが、後からほっこりした気持ちになり、もっとアドレス交換でもして、仲良くなりたかったなぁ、なんて思ったりします。

さてそんな対人恐怖症ですが、脳の機能に偏りがあって、先天的に人とのコミュニケーションがうまく出来ないと言う方々がいます。

「アスペルガー症候群」と呼ばれる症状がある人です。

脳の機能に偏りと言うのは、ある面では非常に秀でた能力を発揮できるものの、その反面ではとても苦労をするほど欠けている一面があると言うことです。

幾つか特徴がありますので挙げて見ましょう。

●自分の興味がある事に関しては、大変な記憶力を発揮する。アニメのセリフ、鉄道の時刻表や車種、専門的な知識、いつ何をしたなどのエピソードやその日付まで克明に覚えていたりします。

そのため、学業に於いては、優秀な成績を修められたりします。

そして、その能力が有利に働く職業に付けた場合は、一流の仕事ぶりを発揮します。

●その反面、興味のない事には一切関心を示さないし知らないので、他人との雑談などで相手に話に合わせる事が苦手。何を話せば良いのかわからない。

●また、記憶力が良いのが災いして、「忘れる能力」が欠けている為、過去の嫌な出来事が忘れられず、繰り返し頭に浮かんで辛い思いをすることがある。

これをフラッシュバックと言いますが、体験した人で無いと理解できないほど、「まるで今現在起こっている出来ごと」かのように目の前で再現フィルムの様に思い出されてしまうそうです。

従ってその嫌な出来事が、トラウマと表現される「心の傷」として残ってしまいます。

続く