対象:住宅設計・構造
車椅子でのライフスタイル
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車椅子を使用したADLは移乗のしやすさから洋式(ベッドやイスの高さを基準)にするケースが多いですが、自由に這い歩きできる和式(床上で布団使用を基準)を好まれる方も多いですね。
和式での生活スタイルに慣れておられるということで、新築住宅でもベッドではなく布団を使うことを前提に床仕上げを決められた方が良いですね。
今まではカーペット上で生活されてたということですが、床に座位でご家族の皆さんと食事されることを考えると、畳仕上げがお勧めです。
最近は車椅子走行可能の畳もありますし、フロアから車椅子への移乗は「座席昇降手動車いす」(画像はニッシンさんのトライメイトNカタログより)などを利用され住宅自体には大掛かりな仕掛けは設置しないほうがスペースを考えると良いのではないでしょうか。
座席昇降手動車いすの使い方はお世話になっているOT/PTさんにご相談して、リハビリ時に移乗の練習ができると介助者はだいぶ楽になります。
全介助の中で入浴と排泄が人手が必要になりますが、若い女性は外部サービスの利用を拒まれる方が多いので、介助者を含めた排泄・入浴動作を確認し、動線やスペースの広さ、住宅設備機器の選択をすべきだと思います。
また、福祉住環境としてお嬢様中心の仕様になりがちですが、ご家族全員も使いやすい仕様にすることが毎日の生活を送るうえでストレスを減らすポイントになります。
既に建築に向け設計を依頼されている状態でしたら、お嬢様の症状が進行性か否かで仕様が変わりますし、今後のご家族のライフスタイルも加味したゾーニングが叶えられるといいですね。
簡単ですがご参考になれば幸いです。
評価・お礼
とびこ さん
2016/08/23 15:23
ご丁寧な回答ありがとうございます。
座席昇降手動車いすは画期的ですね。このようなタイプの車いすなら、玄関で移乗すれば室内での移動・介助が楽になりますね。担当のPTさんに相談して、検討してみようと思います。
畳も進化しているのですね。リビングの一部に、畳の小上がりを作るのもありかな、と考えていましたが、床に畳スペースを作れば、娘も今まで通りストレスなく生活できそうです。ただ、今後のことを考えると、更衣や排泄介助は床よりはある程度高さがある方が楽かもしれないと思ったりしています。
浴室や脱衣場は広ければ良いと考えていましたが、動線も大事ですね。
娘の介護のことばかり考えていましたが、家族全員の住みやすさも考えながら造っていきたいと思います。沢山のアドバイスをありがとうございました。
回答専門家
- 齋藤 進一
- ( 埼玉県 / 建築家 )
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
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