対象:住宅設計・構造
関尾 英隆
工務店
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4寸が望ましいですが、判断はいろいろあります
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ご質問の件、3.5寸と4寸では同じ材であれば、強度的には4寸の方が当然強いです。出来れば4寸を使いたいところです。構造計算上は3.5寸でも4寸でも問題のない強度を確保することができますが、実際に比べるとその差は必然的に出てくると思います。
3.5寸を使うのも理由はあります。一つはやはり価格です。構造材は㎥(リュウベイ)単価と言って、材積(容積)で価格が決まります。柱の場合、単純比較で1.3倍の材料費の差があります。柱が3.5寸なら梁も梁幅は3.5寸材を使用することになります。家全体での構造体の材積量となるとそれなりの差になってきます。
もう一つが、有効巾です。木造住宅で一般的なモジュールである3尺(910mm)の場合、廊下の内側の有効寸法が、4寸と3.5寸では765mm、780mmとなり、小さい数字ですが、使い勝手の差が出てきます。広い土地にゆったりと建てられるのであれば、柱をずらせば階段や廊下巾を確保することができますが、狭小敷地などの場合には、あえて3.5寸を選ぶこともあります。
3.5寸は決して駄目なことではないです。梁の柱へのめり込みなど、細かく話をしだすと長くなってしまい、いろいろな面で4寸が良いことが多いのですが、トータル的に判断していただければと思います。
評価・お礼
おにいや さん
2011/08/26 22:49
関尾様 専門的な見地より詳しい説明をいただき、ありがとうございました。ローコスト住宅をうたっている業者は3.5寸の太さの柱を使用してコストダウンをはかっているものなのでしょうか?
納得!という感じです。ありがとうございました。
関尾 英隆
2011/08/27 09:19評価ありがとうございます。ローコストビルダーや建売業者は3.5寸を使っているところがほとんどだと思います。差別化のために「ヒノキ4寸材使用」なんて宣伝している業者もあります。私たちも極力4寸材を使っていますが、コスト、面積的な関係で3.5寸を使うことはあります。その場合、通し柱だけは4寸を使うようにしています。ご参考下さい。
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この回答の相談
家を新築するにあたり、プランや価格面で業者を2つに絞ったところ、使う柱の太さがそれぞれの会社で異なることがわかりました。どちらの業者もそれぞれの良いところしかいわないの… [続きを読む]
おにいやさん (埼玉県/48歳/女性)
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