昭和40年代の家がそろそろ耐用年数を迎えようとしています。
昭和40年代の建物は殆どが当時の建築基準法にしか則っていません。40年代後半になって初めて住宅金融公庫仕様の建物が現われ始めます。ユニットバスは昭和55年以降の建物でないと使われていません。当時の建物は浴室やトイレと云った水回りが弱点で、土台や柱の足元が相当傷んでいる事が予想されます。
しかし、土台や柱の足元は目に付かない部位ですので、一般の人には調べる術がありません。バロメーターとして、合板フローリングの痛み具合を目安にすることが出来ます。
合板は薄い板を接着剤で重ね合わせて12mmほどの板にして、床材として用います。洋室や廊下によく見られますが、古い合板フローリングは接着剤が劣化しやすく、特に湿気の多い洗面所廻りでは床がフワフワして来ます。30cmほどの間隔でフワフワした場所が現われる様になると、その床下は相当湿気の多い場所であると想像出来ます。その様な位置の土台や柱の足元は、同様に湿気に晒されている訳で、相当傷んでいる事が想像出来ます。
どれだけ立派な豪邸でも、土台や柱の足元が傷んでいれば、建物全体を支える事が出来ません。かろうじて建っている状態の建物であれば、小さな地震でも大きなダメージを受けます。
心当たりのある家は一日も早く耐震診断を受診されることをお勧めします。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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