- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
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「ご注文全て確認させて頂きました。ありがとうございます。少々お持ち下さいませ。」
と、深々と礼。しかし、店員さんのその姿は、カウンター席の正面にある小さな小窓から、チラッと見えるだけ。
あとは、厨房内から元気な声だけが響いてきます。
昨日のランチは、吉祥寺に出来た博多ラーメン店「一蘭」でした。
ご存じの方も多いかと思いますが、この店とても変わっています。
味に自信があるので、お客様に、集中してラーメンを食べて頂く為に
世界で始めて「味集中カウンター」を導入したと言う、唯我独尊ラーメン店です。
まあ、売れているラーメン店は、全て唯我独尊であるとは思いますが、
それはほとんどが、ラーメンの味に対するこだわりがメインだと思います。
ところが、この「一蘭」は、ラーメン自体のおいしさもかなりの物なのですが、
それ以上に、その食べ方に対する「自分軸主張」+「相手軸思考」が凄い。
味に集中して欲しいという理由から、カウンター席しか無く、
それも1席1席が仕切り板で、区切られており、自分一人の世界に集中出来る環境を作っています。
さらに、店員の視線さえもカットし、お客様から厨房が見えないだけでなく、厨房からもお客様の顔は一切見えません。
これ、考えようによっては、笑顔のサービスが不要なようにも見えるのですが、そう思わせないような、厨房内での深々としたお辞儀、丁寧な応対の声、元気なオーダー通しの声などで、カバーしています。
このシステムが、「自分軸主張」が明確である点は、この特異なシステムでよく解りますが、
もう一つの側面、「相手軸思考」である点も、なかなかレベルが高いのです。
それは、女性のお客様に対する気づかいです。
まず、こう言う客席レイアウトのおかげで、気兼ねなくひとりでも利用出来る。
替え玉や追加オーダーは、声を出さなくても、チャイムとオーダー表で出来る。
コート掛けも荷物掛けもあり、実に細かい所に気を配っています。
実際、女性一人客が、私と入れ違いで入店されていましたので、このコンセプトはしっかり、女性客にも伝わっているようです。
たまにはひとりでラーメンを食べたい。替え玉もしたい!そう言う女性ニーズに、ちゃんと答えているんですね。
この一蘭の仕組みは、受け入れたい人だけが来て満足する仕組みですので、押しつけでもお節介でもありません。
本当に、良く相手の事を考えた仕組みだと思います。
まさに「相手軸思考」による成功事例ですね。
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