相続税と路線価 - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

藤本 厚二
埼玉県
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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 土地の値段はといっても実際は、売買取引時価(実勢価格)や公示価格、路線価、固定資産評価額などといった、いくつもの価格があります。そのため土地は”一物四価”の商品と言われています。

その中において、相続税や贈与税の土地の値段は(相続税評価額)、路線価(だいたい実勢価格の70~80%)で評価することになっています。

 路線価は現在では、毎年1月1日時点の路線に面する宅地 1㎡あたりの土地評価額のことを指し、相続税や贈与税の課税価格を計算する際の目安になります。

 今回は、土地の価格にうちの”路線価の成り立ち”について進めたいと思います。

相続税は、明治38年(1905)に創設され、地上権及び永小作権は賃貸価格が評価の基になっていました。

 路線価は、大正15年(1926)の一般税制整理に伴う土地賃貸価格の準備調査の際に、重要な市街宅地で採用されました。当時は、ある路線より直角に測った奥行5間・間口1間の平均坪当価格を路線価と称し、これを基準として各路線に沿う宅地の等数を定めました。当時の路線価は、等級を以って表示し、50級に区分されていました。路線価は、そもそも大正12年の関東大震災後、帝都復興事業として行われた区画整理の際に科学的・組織的な土地評価方法として内務省復興局及び東京市復興事業局の手により考案、実施されたものでした。これは、1917年(=大正6年)に米国のクリーブランド市において採用された方法を参考にしていました(なお、大正13年3月には、財団法人東京市政調査会から市政調査資料第4号として「米国クリーブランド市土地評価法」が刊行されました)。この方法に種々変更を加えた上で大正15年に採用されたのです。

  この後、昭和22年(1947)に相続税法が全文改正となり、相続税に申告納税制度が導入されました。また、昭和25年に相続税が全文改正され、昭和22年の改正時に旧相続税法第23条を拡張して新設した贈与税が廃止されました(昭和28年に復活)。この際、相続税は、遺産課税から取得者課税になり、配偶者控除・未成年者控除・年長者控除など財産を取得した者の個人的な事情を取り入れた制度が設けられました。この間、相続税の財産評価は、昭和21年に施行された財産税法により財産の全般にわたる画一的な評価が行われたことに伴い土地の評価方法が確立され、昭和25年に施行された富裕税の時代へと引き継がれました。こうした改正の中でも、相続税における土地評価は、賃貸価格が基になっていました。

  第2次世界大戦後、市街地の価格の上昇は、一般の物価の上昇と比べて遅れていましたが、昭和30年に至って両者は横並びとなり、以後地価の上昇は一般の物価の上昇を上回りました。このような地価事情のもと、宅地の中には戦後の区画整理の施行や経済事情などの変化により賃貸価格を基準にする評価が不適当な地域が発生しました。このため、昭和31年1月1日以後、相続・遺贈または贈与により取得した宅地の評価方法として路線価方式が導入されました。この後、国税庁は昭和39年に新たな土地の評価方式を制定し、田畑は標準地比準方式(昭和13年から昭和38年までは賃貸価格倍数方式を採用)、宅地は市街地宅地評価法(=路線価方式)とその他の宅地評価法(標準地比準方式)によることになりました。

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