- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
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相手の立場に立つ為の「質問」をしていると、突然ワナにかかってしまうことがあります。
それは、「自分の思う通りに、相手を誘導出来るんじゃあないか!」と思ってしまう怖いワナです。
相手の話を最後まで聴けるようになると、自然と効果的な質問が出来る様になります。
この質問によって、相手が本音を言ってくれるようになると、
「こんなに聞きわけが良いのならば、アドバイスをすれば、もっと良くなるのではないか」と思い始めます。
こんなこと思わない、と言う方の方が多いかも知れませんが、
実は、以前、私もこのワナにかかってしまいました。
いわゆる「図に乗る」という奴です。
でも、この程度のワナならば、まだましです。
症状としては、再び相手の話を聴かなくなり、しゃべりまくるので、周りが気づいてくれます。
問題は、もっと重傷になってしまうケースです。
それが、「誘導尋問病」です。
誘導尋問とは、「未確認だけれど自分に有利な条件を、質問にちりばめて、相手の返答により、その未確認情報を、相手の中で事実化する、と言う心理的なコミュニケーションテクニック」です。
例えば、「あなたが、昨日コンビニで買った、このお茶は、このお茶でしたか?」と聞いて
「はい、そのお茶です。」と答えたとします。
この時点で、コンビニで買ったかどうかは、未確認でも、この質問に答えることで、コンビニで買ったと言う言質が取れるのです。
このテクニックを使うと、相手を思い通りに動かせるのではないか?
と言う錯覚に陥ってしまうのです。
これは、「超自分勝手な相手軸」です。
もしもこのような「誘導尋問」を誰か仕掛けて来ても、あなたがちゃんと話を最後まで聴いていると、引っかからないように出来ます。
しかし、あなたが意図的に、相手を自分に有利に動かそうとして、誘導尋問を使って、相手を引っかけた時、あなたも相手との信頼関係が生まれたような錯覚に落ちてしまいます。
意図的で表面的な、信頼関係もどきにより、相手の立場に立てているような錯覚に陥るのです。
つまり、自分が仕掛けたワナに自分でかかってしまうのです。
こうして出来た、信頼関係もどきは、もちろん、いとも簡単に崩れてしまいます。
ワナを仕掛けた人の「自分に有利な前提条件」は、あくまで自分勝手ですので、相手が違和感を覚えたとたんに簡単に崩れます。
自分自身が誘導した前提条件は、自分の「思い込み」となってしまうのです。
これが最も危険な状態です。
相手との信頼関係が崩れる前に、あなたが立てた前提条件(=あなたの思い込み)は早く捨ててしまいましょう。
思い込みをベースにした質問は、自分が思い込む結論に持って行きたくなるので、無意識に誘導します。
無意識に誘導尋問をしてしまうのです。
これは、聞き手が上位職の場合は、非常に危険です。
なぜなら、部下は、しかたなく、「イエス」を言うからです。
意識的にせよ、無意識にせよ、自分が求める結論や、自分に都合の良い前提条件を認めさせるような誘導は、必ずどこかで相手に違和感を与えます。
この違和感を持ったまま、「信頼関係」を持つことは出来ません。
「相手の立場に立つ」と言うことは、「相手との信頼関係を結ぶ」事が目的です。
「誘導尋問のワナ」の引っかからないように、最後まで聴き、そして問いかけを致しましょう。
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