「相手軸な叱り方」㉛「叱っていない」のに叱られたように感じる

2013-02-26 05:15

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「叱ってなんかいない。私は、自分の意見を言っただけだ。」

コミュニケーションは、なかなか思い通りには行きません。
伝えたいこととその気持ちは、相手には、期待通りに届かないことが多いようです。

伝えたいことは、より具体的に伝えれば、ポイントは伝わるかも知れません。
伝えたい意味は、目的を明確に伝えれば、伝わるかも知れません。

問題は、伝えたい感情です。
自分が感じた感情・気持ちを相手に正確に伝えるのが難しいのです。

多くの人は、「そんな感情なんかは関係ない」「気持ちなんて伝えなくてもいい」などと言います。
でも、受け手は、相手の感情を先に感じます。
「怒ってる？」
「機嫌が悪い？」
「気分を害している？」

叱り手が伝えたいことなど二の次で、叱り手の感情ばかりが気になります。
本当は、その内容を良く聴いて、反省と改善と対策に意識を向ければ、叱り手の気持ちも収まりやすいにもかかわらず、
「あ～あ、怒らせてしまった・・・やばい」
「今日は機嫌が悪いんだなあ～」
「何か悪いこと言った？俺、地雷踏んじゃったのか？」
と思ってしまうのです。

しかし、そんな時でも多くの場合、叱り手は
「怒ってなんかいない！」
「別に機嫌が悪いわけじゃない！」
「気分なんか悪くない、いつもと一緒」
と言います。（本当は、怒っているんだと思いますけどね(笑)）

「叱る」時でも同じです。
言い方、表情で、「叱る」が「怒る」になるし、「注意・アドバイス」は「叱る」にもなります。

「叱る」も「注意・アドバイス」も目的が同じならば、別に良いのでしょうが、「叱られる」と感じたらそれだけで、拒絶反応を示す人もいるからやっかいです。

怒られたり、叱られたりすると、とたんに防衛反応が働く人もいるのです。
反応の仕方は人それぞれですが、いずれにせよ、伝えたいことはあまり伝わらない結果となります。

叱り手の方の目的が、「相手の成長のため」にあるのでしたら、受け手の方が、何を受け取っているかを感じることが大切です。
「問題点の合意」「問題の原因」「改善点の確認」「次回対策の合意」などなどの、問題点などについてなのか？
それとも、叱り手の
「機嫌」「憤り」「不満」「憤懣」「悲しみ」などなどの、「気持ちなど」についてなのか？
それを、見抜かねばなりません。

その方法は、
①相手の反応パターン（いつもそうなのかどうか？）
②相手の反応ポイント（どこで頷くか？、どこで表情が変わるか？）
③相手に確認する（どう感じたか？どう理解したか？）

「叱ってなんかいない！大切なことを伝えているだけ」
でも、相手は叱られているように感じるものです。

叱り手の本心にある「怒りの感情」や「残念な感情」は、ちょっと横に置いておいて、相手の優先順位が、問題解決の方に向かっているか？を確認するように致しましょう。

相手軸思考で「叱る」のは、感情コントロールの修行が必要ですね。

と、こんな事を言いながら、今日も、相手の気持ちがわからず、悩んでしまう私です。
まだまだ修行は続きます。

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