- 東郷 弘純
- 東郷法律事務所 代表
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
強制的に相手方の財産から債権を回収するためには,一般的には,訴訟等を提起して債務名義を取得して,強制執行するという手続きを要します。その間に数年を要して,相手方(債務者)の財産状態が悪化して,裁判で勝訴しても回収できないという事態が生じえます。
そこで,暫定的に一定の権利や地位を認めるのが民事保全制度です。相手方の財産を仮に差し押える等の手続のことです。簡単に言うと,相手方から確実にお金を回収するために,訴訟での判決より前に(すなわち債務名義を取得する前に),相手方の財産を仮に差し押さえる等の手続のことをいいます。例えば,裁判を起こす前に相手方の預金を仮差押えすると,相手方は当該預金を勝手に引き出すことができなくなります。
この民事保全仮差押申立てが認められる場合には,原則として担保をたてる必要があります。仮差押は,訴訟で判決が出る前に仮に相手方の財産を差し押さえておく等の制度なので,仮差押がされた後に訴訟で負けてしまうこともありうるわけです。このような場合には,仮差押えによって相手方に損害が生じる可能性があり,損害賠償責任を負うことがあります。そのため担保を立てる必要があるということです。
担保の額については,決まった金額があるわけではなく,仮差押えする財産の価値や請求している額等を考慮して定められます。
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