- 松島 康生
- 災害リスク評価研究所 代表(災害リスクアドバイザー)
- 埼玉県
- 危機管理/BCP/防災計画コンサルタント
対象:防災
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
「地震は日本のどこで発生しても不思議なことではない」と言うことを大学教授の方がテレビで言ってました。プレートの沈み込みである東京湾沖や千葉県沖であれば理解できるのですが、私の住む東京都内が震源(直下)になることはあるのでしょうか。
という内容のメールを頂きました。
こちらの質問者様と同様に「まさか、自分の住んでいる家の真下が震源なんて事はないだろう!」と考えている方が意外と多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、大学教授が言われるように、日本のどこが震源になってもおかしくはありません。すなわち「日本に住む以上、地震のリスクからは逃れられない」と言っても過言ではないのです。
確率論的に地震発生リスクの高いところと低いところの差異はありますが、その時期がイツ起こるのかという確証が持てないのが現状なのです。
ご存知の通り、日本の国土地盤には4つのプレートが入り組んだ構造のため、まさに全世界で発生している地震(マグニチュード6以上)の約2割は日本で発生しているのです。
さて、質問者様が言われている東京都内ですが、過去3カ月の地震発生の履歴をみたところ、規模(マグニチュード)は小さいですが、東京都23区内を震源とする地震が7月12日に発生していることが分かるかと思います(右画像上)。
※参考:「Yahooの地震情報の履歴一覧」
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/
また、この1ヶ月間に発生した地震の分布図です。図のように日本全国で地震が頻発していることがお分かりだと思います(右画像上)。
※参考:防災科学研究所「高感度地震観測網」
このことはプレート型地震だけでなく、活断層においても同様のことが言えます。
新編・日本の活断層や地震調査研究推進本部の調査によれば、日本の陸地でも2,000以上の活断層がわかっています。これ以外にも、地表面に現れていない断層など見つかってない活断層も考えると、日本中のいたる所に活断層があると言っても過言ではありません。
また、東京大学・生産技術研究所の目黒教授の調べによると 断層のほぼ直上には約120万人の方が住んでいると言われています。
日本における活断層図
http://www.saigairisk.com/27.html/%e6%b4%bb%e6%96%ad%e5%b1%a4
これらのことから、「どこで」、「いつ」、「どんな規模」の地震が起こるかという「予知」に依存せず、どの場所においても「いつ起きてもおかしくない」という認識が必要なのです。
そのために、いつ、どんな災害が発生しても対応できるように「この場所なら」、「どんな災害が」、「どの程度の規模や範囲で」起きるのか、災害リスクをピンポイントで調べ、適切な防災対策を講じることが大切なのです。すなわち、災害リスクを調べ、そのリスクを最小限にするための対策が必要なのです。
ちなみに、右下の画像は阪神・淡路大震災を引き起こした「野島断層保存館」で撮影した「活断層のズレた断面」と、断層のすぐ横で「激震に耐えた家」が保存されています。
この激震に耐えた家は、建物自体の歪みもほとんどなく、無事に耐えた家として保存されていますが、その理由の一つに建物の基礎となるコンクリートを通常の2倍以上を使用していたことが知られています。震度7の激震により地面は20cm持ち上がり、横に1m以上も動いた形跡がありながらも、基礎がしっかりしていたため建物に対しての影響が小さかったのです。
このことから私の家も活断層特有の地勢がすぐ脇にあり(国の調査では確率の低い推定断層とされていますが)、おそらく活断層だろうと考えた上で、これを参考にして基礎部分のコンクリートを増量した対策を行ったうえで家を建てています。
※この内容と同じものを分かりやすく多数の画像を使って解説しているブログも公開中です。どうぞご覧ください。
http://www.saigairisk.com/27.html
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