普通に生きると言うこと。

「自宅介護で「胃ろう」をやめた日」－２

何度も原稿を読みながら・・

ああでもない、こうでもない、と内容や文章を検討したりケチを付けたりしてきたのですが・・

自分で言うのも何ですが・・

こうしてまとめて読んでみると凄い物があります。

家族全員がみなそう言います。

でも・・

みながそう思うということは・・

今現在まで、誰もそんな風には思ってもいなかったんです。

それが普通だった・・

その時は大変なことでも、ずっと困ったことではなかった。

病気になること以外は・・

右手しか使えず、杖をついて時速１００ｍでしか歩けない父が一人で車を運転して仕事に行ってしまう・・

それが普通なことでした。

だって出来るのですから。

何度言われたことでしょう・・

ひどい家族だかわいそうにと・・

ある程度の時間が来ると誰となく「トイレはいいの？」と声をかけ車椅子を押して連れて行く・・

それが当たり前の毎日です。

普通です。

かわいそうにって・・

？？？

社会にも父と母はどんどん出て行きます。

さっさと仕事に復職しましたし、動ける頃は年に何度も旅行三昧、今でも俳句の会に珈琲サロンに観劇に毎週のように二人して出かけます。

すると、そのうちに廻りの方々もわかってくれるようになってきます。

それが普通になってくるのです。

別に父のためにとかじゃない、逆に父も健常な人のために出来ることは何でもやります。

普通の人々がそうしているように・・

それが本当の社会復帰で・・

そういう社会が本当のバリアフリー社会なのではないでしょうか？

決して特別ではない・・

かわいそうな人ではないのです。

私は、そう父と母から教わりました。

幻冬舎ルネッサンス

「自宅介護で「胃ろう」をやめた日」

25年にわたる壮絶で希望溢れる介護ドキュメント！

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