- 敷浪 一哉
- 有限会社シキナミカズヤ建築研究所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
これはベロタクシーという自転車のタクシーです。
現在横浜みなとみらい地区にて運行しています。
ここ数ヶ月、あるワークショップに参加していまして次代の横浜についての研究をしています。その成果を本にするための編集作業の一環で、ベロタクシーの撮影に行ってきました。
観光客向けに浅草で運行している人力車は有名ですが、ベロタクシーは未来の人力車という雰囲気でしょうか。歩き以上自転車未満、ちょうどジョギングするくらいのスピードがなんか心地よいです。
そして、それ以上に魅力なのは、なぜかドライバーと会話が弾んでしまうことです。タクシー比べて30cmほどお互いの距離が近いのですが、そのたった30cmが、なんか会話してしまう密着感、一体感をつくっています。
世の中が車の時代になってずいぶんたちますが、移動のためのスピードを得た代わりに、車という殻に囲まれた人々のコミュニケーションは剥奪されてしまいました。
これからの時代は、時間を短縮するということがすべての利益につながることはありません。そういうことを本気で実践していく時期にきています。
それが、経済の成長を終えた我々が次に向かう方向なんだと思いますよ。