- 別所 諒
- ビジョン・コンサルティング 別所諒 主宰
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:営業
どうしても達成したい目標を設定すれば、人は大きな力を発揮する。
さらに、目標の先に大切な人を幸せにするという目的が加わるとその力は本人の想像を超えることがある。
一方で、力があっても他人から強制的に目標を与えられてしまえば、持っている力すら出せない。
オリンピックを見て思うのは、前者は水泳、バドミントン、卓球、フェンシング、男女サッカーであり、後者は柔道になろう。体操、陸上、女子バレーはエース以外の選手の目標の設定が少し不明確だったかもしれない。
まさに古い体質の会社と新しい会社の違いに似ている。
伝統を重んじることは重要だ。しかし、伝統は過去の栄光ではない。現在の選手たちを、過去の栄光に縛り付けて叱咤するのは崩壊していく組織そのものである。
体力に勝り、日本柔道の技を研究している外国人選手は勝って当たり前の相手ではない。なのに、銀メダルを獲得しても、「悔しい」と言わせ、金メダル以外に課題を指摘するのは、悪しき日本的体質ではないか。
柔道関係者が、松本薫のような闘志むき出しの選手を好むのは、そのような稽古に明け暮れた自己の経験によるものだろうが、人には性格があるし、すべての選手が闘志をむき出しにする必要はない。
かつてのボクシングの名トレーナーエディ・タウンゼント氏が、試合直前の選手に「あいつをぶちのめしてやりなさい!」と言っていたのを見たことがある。それはビビる選手を鼓舞するとともに、自分が自分の選手を信じようとする心の叫びだったように思う。
プロボクシングはプロゆえに勝つことがすべてのスポーツだ。だからこそ、自分が育てた選手が負けた時、人が去っていく中で、エディ氏は一晩中、選手の腫れた顔をやさしく撫でていたという。それが指導者の姿だと思う。
世界的な選手でも、大舞台で平常心を失うこともあるだろう。それは、選手のメンタルが弱いのではなく、余計なプレッシャーを与え続けた指導者に問題があると思う。
責任感の強さゆえに自らの命を絶ったマラソンの円谷幸吉の悲劇を繰り返したいのか。
全力を尽くして負けた選手を断罪するような監督や指導者はあってはならない。
男子柔道監督の篠原氏は、自分の現役時代のビデオを見れば(闘志むき出しではなかったのでは?)、もう少し選手に寄り添うことができると思う。その時、新しい日本柔道が誕生すると思うが、いかがだろうか?
団体戦でこそ、日本の強さが発揮されるのだから。
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