胸郭出口症候郡

『胸郭出口症候群（TOS；Thoracic Outlet Syndrome）』という言葉を聞いた事があるでしょうか？

こんな症状をお持ちの方はいらっしゃいませんか？

　　●　手や腕がしびれる

　　●　手や腕がだるい／しんどい

　　●　手先が冷たく、なんとなく白っぽい

　　●　肩凝りがある

　　●　腕の筋肉が硬く、押すと気持ちがいい

パソコンやデスクワーク作業などでも起こる症状です。

胸郭出口症候群とは？

首から肩、脇の下付近のの体の前側を『胸郭出口』と呼び、私達の腕や手を支配する神経や血管は、この胸郭出口を通り抜けて手先まで張り巡らされています。

この通り道で、神経や血管が圧迫を受けたり、引き伸ばされた場合に胸郭出口症候群が起こります。

症状としては、痺れや筋力の低下、血流が阻害されることによる循環障害（手先が冷たい、青白くなる）などがあり、重だるくなったり、倦怠感を感じるようになることもあります。

神経や血管が圧迫されたり、引き伸ばされたりする部位によって、胸郭出口症候群は3つに分類されます。

　　●斜角筋症候群･･･・・・・・・・・・・・・・・・・・前斜角筋と中斜角筋、第一肋骨で作られる斜角筋間隙

　　●肋鎖症候群･･････・・・・・・・・・・・・・・・・第一肋骨と鎖骨の肋鎖間隙

　　●小胸筋症候群（過剰外転症候群）・・・小胸筋とその裏側にある筋膜や靭帯との間の狭い隙間

胸郭出口症候群になりやすいタイプ

男性よりも女性がかかりやすく、若い世代（２０代）がもっとも多くなっています。

仕事が忙しくて、いつも以上に手や腕を酷使している時期に起こりやすくなっています。

　　●デスクワーク

　　●パソコン作業

　　●手先を使う仕事

　　●重いものを持つ仕事

　　●なで肩

　　●筋トレ

　　●頚肋（第７頚椎の痕跡）

ヒトが二足歩行になったことで、胸郭は広がり肩は後方に移動しています。

このヒトの進化による変化も斜角筋症候群を引きやすくなった要因と言われています。 

胸郭出口症候群になってしまったらどうすればいいでしょう？

手や腕にしびれや循環障害を引起こす疾患には頚椎の病気などが潜んでいる可能性もあります。

まずは、整形外科を受診しましょう。

症状が出ている間は、症状を引き起こしてしまう動作は控えます。

仕事が忙しく休めないという場合は、こまめに休憩をとるようにしましょう。

悪い姿勢で、肩凝りを悪化させることがないように気をつけてください。

予防

　　●　姿勢に気を配りましょう

　　　　デスクワークやパソコン使用時は猫背になっていませんか？

　　　　キーボードを操作する肘は楽な位置に置かれていますか？

　　●　適度に休憩をとり、ストレッチなどをしましょう

　　　　長時間同じ姿勢をしていると体だけでなく筋肉も疲労してしまいます。

　　　　適度に休憩をとり、体を動かしたり、伸びをするなどのストレッチをしましょう。

　　●　筋肉への負担緩和

　　　　入浴時には、肩や腕周りなどの堅くなった筋肉を軽く押して緩めます。

　　★　肩凝りになってしまったら、『黄色信号』と思ってください。

　　　　 それ以上肩凝りを悪化させ、再び、胸郭出口症候群になってしまわないよう気をつけましょう。