企業年金連合会とGPIFのアセットミックスは良い配分と思います

昨日、一昨日と企業年金連合会の政策アセットミックスと、年金積立金管理運用独立行政法人の資産配分につい紹介いたしました。では、これらの年金と同じ資産配分で他のファンドと比較した場合、その成績がどの程度になるのかを、モーニングスターのファンド検索を利用して、確認致しました。

ただ、昨日報告した指数による収益率にはコストが含まれていません。従って、コスト分を付加した数値を使用します。
現時点で、最も安いネット証券向けインデックス・ファンドの手数料は買付手数料がゼロ、信託報酬は、国内の㈱と債券が0.42%、海外が0.63%、信託財産留保額はゼロと表示されています。従いまして、中間点の,年0.525％と税金等を0.1%を加えたものをコストとして試算・検索致しました。

企業年金連合会のベンチマークアセットミックスを使用した場合の、運用成績は、
1年来で1.0%－0.625%＝0.375%、3年来で15.63%－1.875%＝13.755%、5年来では-5.49%－3.125%＝－8.615％に為ります。GPIFも同様に測りますと、1年来で0.715%、3年来で10.455%、－4.295%に為ります。

3月27日現在、モーニングスターのファンド検索で、運用機関5年以上、償還期間10年以上で検索すると1380件です。DC専用、ラップ口座を含んでいます。また、国際株式型は252件、国際ハイブリッド型は134件です。

ファンド検索の1年来、3年来、5年来に夫々の数値を入れて、検出されたファンドの数をカウントしました。
企業年金の収益率を入力し、成績がそれ以上のファンドを抽出します。
表はその検索結果です。



一見して解るのは、1年来と3年来の成績を比べたケースです。
投資対象を「選択なし」で抽出しますと、企業年金では7件、GPIFでは22件しか上回りません。母数が1380件ですので、0.5%と1.59％しか上回らなかったことに為ります。これって凄いことだと思いませんか。

一番成績が落ちた時は、1年と5年の成績を比べたケースで、選択なしでは501件(36.3%)と460件(33.33%)が抽出されました。年金の成績はいずれも上位40%に入っていることに為ります。また、成績が良かった3年来とマイナスを計上している5年来両方の比較では、
企業年金は210件(15.2%)、GPIFは360件(26.1%)で上位20%と上位30%以内に入っています。

日常報道等はマイナスが出た際には大きく取り上げ、利益が出た時の記事は、小さく取り上げる傾向が強いと感じています。運用ですので、何時も好成績を出すことは不可能です。
まずは、我々の年金を管理運用している2団体の資産配分は良とすべきと思います。それでも、トップクラスを狙って運用に観額を掛けて頂きたいとは思いますが。

我々の長期的な資産運用では、両団体の資産配分は、見習うべき対象の二つで有ると考えています。皆さまはいかがですか。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー　
吉 野　充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
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