東日本大震災の場合、津波の脅威を思い知らされました。昨日NHKスペシャルで、何故ここまで巨大津波が発生したのか、最新のデータを基に説明していました。
震源地付近の断層がずれた際に発生した津波と直ぐ後に、プレート境界付近のズレも発生し、盛り上がった津波を更に高く押し上げたとの事でした。
それ以外にも、海底地すべりによる津波も観測されている模様です。
恐ろしい話しですが、現在の建築基準法では、津波に対処する構造的検討は何も記載されていません。重力以外の対処する荷重として、雪・風・地震の取り決めがあるだけです。
津波が来れば、どの様な建物も安全とは云えないのです。海際に建てなければならない建物以外は津波の来ない場所に建てる事が唯一の対策です。
最大で34mに達すると予想されている津波です。30m以上の上り下りを毎日繰り返すのも多大な労力です。免震装置同様に、免波装置の開発が急がれます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
「●免震構造住宅」のコラム
木造免震住宅見学会開催御礼(2013/11/28 07:11)
縦揺れで家が潰れるか(2013/11/10 23:11)
木造住宅構造見学会を開催します。(2013/11/08 08:11)
失礼な電話(2013/09/18 08:09)
京都の伏見区で免震住宅を建設します(2013/09/14 07:09)
このコラムに類似したコラム
【住宅の安全性能を考える】-1 西島 正樹 - 建築家(2013/09/05 13:53)
突然の停電 福味 健治 - 建築家(2013/03/06 07:25)
地鎮祭 小木野 貴光 - 建築家(2016/08/28 03:00)
階段の造作 松永 隆文 - 建築家(2014/09/22 18:09)
建築知識の土台が無いのに、何がいい家なのかを語らないで 松岡 在丸 - 建築プロデューサー(2014/07/13 08:00)