バフェットさんがいることが確率的に正しい意味

前二回のコラムで、ポートフォリオのパフォーマンスを測るメジャーとしてシャープ
・レシオとインフォメーション・レシオをご紹介しました。
これらを使用してファンドの良さ・悪さを比較して、良かったか・悪かったのかは解ります。では、それらの中から、これから成績が上がるファンドは探せるのでしょうか？
残念ながら、それは困難と言われています。むしろ悪いファンドを買う方が良くなることが多いとも言われています。(多くの本に書かれていますが、私自身は検証はしていません)

これは、物事は行き過ぎれば、修正される＝平均への回帰現象というアノマリーがあるというものです。
でも、世界にはバフェットさんのように大成功した投資家も居ます。
だから「こうすれば儲かる」という必勝法が有るはずと思われがちですが、確率からは、バフェットさんがいる事が、予測がつかない事例として紹介されています。

世の中の投資家の儲け(損失)をグラフにプロットすると、正規分布に為るからです。
ただし、マイナスは一定限度でプロットが出来なくなります。それは、損失は無限にはならないからで、資産が無くなればそこで投資が終わるからです。

バフェットさんがいるのは、1億2000万人の「じゃんけんゲーム」をすれば良く解ります。
1.2億人全員が1万円札をもち、じゃんけんゲームに参加します。
ルールは単純で、負けた人は有り金全て勝った相手に渡して退場します。
最初の1回で6000万人が退場し、勝った6000万人の手には1万円札が2枚残ります。
2回目では、3000万人が残り、3回目で1500万人が残ります。
4回目では、750万人が残りますが、この人たちの手には16万円が入っています。
これを10回繰り返しますと、117,187人が残り1,024万円を保有しています。投資額の1024倍です。
15回では3,662人が残り、3億2768万円にもなります。この時点で億万長者です。
20回勝てば114人が、104億8576万円を手に入れています。
25回では3人の方が残り、3355億4432万円を手にしています。
最終は27回目で、1人が1兆2000億円を手にしています
これは、正しい投資判断を25回された方が、3人もいる事を指します。また、投資家を1億人としていますが、全世界の投資家は1億人以上いるはずです。何故ならば、現実の世界でも投資資金が無くなった方は退場せざるを得ず、市場に残っている方は、追加する資本があると言っても1回の資本は1万円で、25回参加しても25万円で済んでいるから、復活を掛けて新たに参加する方がいるからです。

もし、毎年1回上記のゲームが有ったとすると、バフェット氏の投資期間50年で、50人の兆億万長者が出る事になります。

ただ、連勝を続けることは極めて困難で、2011年8月31日の日経朝刊では、アメリカの債券王として紹介されている米運用大手ピムコの最高投資責任者、ビル・グロス氏が米国債の売却で大きな損失を出し、「敗北宣言」を出したことが掲載されています。

単年度の投資成績に一喜一憂するのではなく、じっくり腰を据えた、分散投資で市場の平均を狙う、パッシブ運用での資産運用をご検討下さい。
バフェット氏も、一般投資家はインデックス・ファンドでの運用をお勧めしています。

毎月、資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
宜しければご参加下さい。
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー  日本FP協会認定CFP(R)
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイサー
宅地建物取引主任者
独立系顧問料制アドバイザー　吉 野　充 巨
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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